鵞足炎(がそくえん):前十字靭帯を損傷して去年の7月に手術

傷はボルトを抜いた跡です。黄色い円で囲んだのは鵞足炎の出る場所
バスケをやっている女の子です。
タイトルのような経過で、今年の8月にボルトを抜いたそうです。
その後リハビリを続けているが、膝の内側が腫れていて、曲げると張っている感じがするということでやって来ました。
そこで、手技療法で膝の捻じれを取り、カインド調整法(最近韓発した七星手技療法)で足裏をクイクイクイとやったら、ほとんど違和感が取れました。
そして念のためにスタッフに筋膜リリースをしてもらいましたら、ほとんど症状は治まっていました。
しかし、手術跡の炎症がまだあるようでしたので、炎症を治めるために、八風と、顖前、百防、陰査穴に軽く鍼をして、その日は終了にしました。
そして、「次はどうしたらいいでしょう」と言うものですから、
症状はほとんど取れたのですが、ボルトを抜いたばかりなので、こじれたらこまると思い、1週間後に来てもらいました。
1週間後に来た時は、
「病院では“鵞足炎”と言われましたが、もう全然痛みはないです。」と話していました。
ですから、可動域を調べる検査をしたら、ほぼ問題ない状態でしたので、膝を軽く調整して、全体を整えるために軽い鍼をしました。
それで問題ないと思ったので治療は終了しました。
鵞足炎とは、上の写真の黄色い部分に痛みが出る症状です。
そこが痛むのは、大腿内側の内転筋群である縫工筋、薄筋、半腱様筋がそこに付着していて、「鵞鳥(がちょう)足で蹴られたところ」と覚えてください。
縫工筋、薄筋、半腱様筋に過緊張が起こると、下腿の骨(脛骨)が捻じられて、膝関節に負担をかけて炎症が起こるわけです。
膝の曲げ伸ばしや、膝から下を外側にひねる動作をしたときに、鵞足部分の腱、骨、腱と腱がこすれるので、炎症が起こりやすくなるわけです。
特に、バスケやサッカーのような足の捻じり運動が多いと、この症状が起こりやすくなりますが、マラソンなどでもよく起こっているようです。
ですから、治療としては、捻じれた膝関節を元にもどして、内転筋群(縫工筋、薄筋、半腱様筋)の過緊張を取ればいいわけです。
と言っても、それら内転筋群だけを治しても、鵞足炎は治りません。
何故なら、縫工筋の起始は上前腸骨棘の直下に、薄筋の起始は恥骨結合の外側縁に付着し、半腱様筋は坐骨結節の内側面に付着しているからで、その付着部に問題がある場合が多いからです。
つまり、骨盤の動きと直結しているわけです。

縫工筋、薄筋、半腱様筋
ですから、鵞足炎を治すには、基本的に骨盤、仙腸建設、股関節、膝関節を調節しなければならないのです。
そして、捻じれ運動と関係しているので、多くが足関節まで歪みが波及しています。
ですから足関節部の調整も必要になってきます。
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