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2019/09/25

左の腰から横腹が痛だるい(左腎の虚)

この「診断即治療」は、 gooブログ にも転載しています。




写真① 青く塗った辺りが痛だるい 




写真② 左腎と尿管の位置 



現代医学での腎臓の働きは、一般的には以下の通りです。
① 尿生成を通じて、体液(細胞外液)の恒常性を維持すること
② 尿素などのタンパク質代謝物を排出すること
③ 内分泌と代謝調整(ビタミンD活性化、エリスロポエチン産生、レニン産生)

一方東洋医学で「腎」と言えば、泌尿器系・生殖器系を意味しているだけでなく、「先天」とも云われ、両親から受け継いだ生命力も意味します。
即ち、成長、発育、生殖に影響を与える生命エネルギーを「腎気」と呼んでいるわけです。

「腎気」は加齢によって減少すると考えられていて、腰痛や骨粗鬆症、脱毛や白髪、難聴や耳鳴り、皮膚の乾燥・痒み、排尿障害や尿失禁、下肢の冷えやだるさなどは、腎気が虚した状態、いわゆる「腎虚」の症状と考えられています。

抽象的な話をしても、このブログは一般向けなので、理解に苦しむかも知れませんので、もう少し具体的な話で解説していきます。

この患者さんが訴えるには、写真①に示したように、左の腰(腎臓裏)から、横腹にかけて痛だるいと言います。
それを解剖学で考えますと、写真②に示すように、左の腎臓・左の尿管からの症状と考えることが出来ます。

時々、下降結腸からの痛みで「横腹の痛み」を訴える方もいますが、その場合は、脊椎診をしたり、腹部から押えてみたりすればわかります。
そして、一般的な「痛み」ではなく、「だるくて痛い」と言っていますので、そこに「虚」(力がなくなった状態)が起こっているわけです。

現代医学的に言うと、「機能低下」になりますが、問題は何故機能低下になったかです。
これは筋骨系でも経絡系でも理解できないと思います。
理由は、筋骨系では主に「筋腱の過緊張」を診るし、経絡系では右腎とか左腎の区別がなく、「左右の腎の虚弱」を診るからです。

それでは、何が原因なのかを考えるのですが、ポイントは、「腎臓の働きが落ちる原因」を考えます。
臓腑の働きが落ちるときには、その臓腑が硬くなっているか、軟らかくなっているかで想像します。

「虚の状態」(力が抜けた状態)というのは、多くが「腫れた状態:浮腫んだ状態」です。
では、何故腫れたのか、ということになりますが、応えは簡単で、
「腫れるモノ」を食べ過ぎたからです。

それを探ることが出来れば、割と簡単に治すことが出来ます。
この方の原因も簡単に探すことができたので、それを指導しておきました。
と言っても、治療に来ているわけですので、その場で症状を治めてあげる必要があります。

このような場合、巨鍼の使える(患者さんが怖がらない場合)なら、巨鍼を使うのが早いので、私は巨鍼で治療しました。
伏臥になってもらい、左脾兪から左大腸兪辺りまで巨鍼を通して5分ほど置鍼しておきます。
この症状に対しての治療はそれだけです。

巨鍼が済んでから、

「どう? 楽になったと思いますけど……」と言うと、正座をして、後ろを振り返り、私の顔を見ながら、

「はい」と、だるそうに答えていました。(笑)
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