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2019/02/27

起立性調節障害について(Part3)

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肝臓の腫れを診ているところ 



起立性調節障害について、鍼灸古典の角度から考えてみることにしました。
というのは、現代医学の考え方では起立性調節障害を治すのは難しいと思えたからです。
理由は、その病態から病因を考えると、「体質的な問題(からだの性質の問題)がある」と考えるのですが、現代医学ではその点の考察が弱いような気がするからです。
それに、体質的な問題は東洋医学の方が論理的に説明できるし、臨床的にも経験豊富だと思うからです。

たとえば東洋医学では、病態(病人の容態や病気の状態や症状)を診るのに、「虚実」とか「寒熱」とか「表裏」とか「気血」とか「陰陽」とかを参考にします。
それを「起立性調節障害」に当てはめますと、朝起きることができないという症状からすると、「虚」(エネルギー不足)ということがわかります。

次に「寒熱」で考えますと、熱はあまり出ませんし、顔色が青白いことから「冷え」を現わしていますので、「寒」(冷えている)を現していると診ます。
そして、「表裏」とは、「臓腑と皮毛」あるいは「臓と腑」と考えてください。
つまり、奥にあるのが「臓」(肝臓、心臓、肺臓、脾臓、腎臓)で、表にあるのが「腑」(胃、大腸、小腸、胆嚢、膀胱)などになり、「臓を陰」とし「腑を陽」として考えます。

それから「気血」についても考えるのですが、気とは「機能的なモノ」と考えていただき、血とは「内で流れるモノ」と考えてください。
もう少し分かり易く言うと、たとえば五十肩で言うと、肩の構造は血で構成されているが、肩を動かしているのは気となるわけです。

つまり「構造と機能」と考えていただければいいと思います。
すると、肩を打撲したとか骨折して、肩に傷がついて動かない場合は「血の問題」になるのですが、傷はついてないが動かないとなると「気の問題」と考えるわけです。
では、「朝起きれない」というのは、どういうことかというと、現代医学で検査しても、これという結論が出てこないのですから、これは「血」の問題ではなく、「気」の問題と考えるわけです。

ですから、現代医学では「肩が動かない」となると、筋肉や骨格、あるいは神経の問題だと考えるのですが、東洋医学では、「動かなくなった原因はどこにあるのか」(どの気の流れが悪くなっているのか)を考えて治療にかかるわけです。
だから、現代医学的解説は目に見えるもので説明するので、素人でも分かり易いのですが、東洋医学では「気」(エネルギーの流れと考えてください)で解説するので、勉強してない人にはわからないのです。

では、起立性調節障害はどうかと言うと、現代医学でのアルゴリズム(問題を解決するための方法や手順)は以下のようになっているようですので、それらの項目で検討してみると、「気と血」の問題が考えられると思います。

1. 立ちくらみ、あるいはめまいをおこしやすい
2. 立っていると気持ちが悪くなる、ひどくなると倒れる
3. 入浴時あるいは嫌なことを見聞きすると気持ちが悪くなる
4. 少し動くと動悸あるいは息切れがする
5. 朝なかなか起きられず午前中調子が悪い
6. 顔色が青白い
7. 食欲不振
8. 臍疝痛を時々訴える
9. 倦怠あるいは疲れやすい
10. 頭痛
11. 乗り物に酔いやすい

では、その「気と血」を整えれば治るはずなので、治療をどのようにするかということになるのですが、その前に、「陰陽」の分類をしなければなりません。
「虚実」「寒熱」「表裏」「気血」を総合して「陰と陽」に分けるのです。

すると、起立性調節障害の病態を陰陽に分類してみると、以下のなります。
虚実では、虚=陰、
寒熱では、寒=陰、
表裏では、裏=陰、
気血では、気=陰
となると、この病気は「陰の病」と診ることができるわけです。

さてしかし、陰の病はどのようにして発生するかと言うことになりますが、これは「食養理論」を使ったほうがいいように思われます。
食養理論は日常生活のことなので、難しいことはありません。
食品を「陰性」「中庸」「陽性」に分けて、陰性の食べ物を摂りすぎると「陰の病」になり、陽性の食べ物を摂りすぎると、「陽の病」になりやすくなると考えてください。

で、虚実、寒熱、表裏、気血で診ると、「陰」に偏っていますので、この病は「陰性食品の摂りすぎではないか」ということが想像できるわけです。
そして、その陰性食品がどの臓腑に影響を与えているかを、鍼灸診察の「脈診」などで診ます。

しかし、脈診は鍼灸師でもできない人多いし、不確定な診断法(脈位の種類がいくつもある)なので、臓腑の診断は七星論での「六臓診」(臓器反応の出る部位を軽く叩いたり、押したりして調べる方法)と言うのを使ったほうが賢明かと思います。

そうすると弱った臓腑がわかりますので、それらの臓腑の機能を上げるように考えながら治療していくわけです。
それと同時に、そのような体質になった食品を極力避けるように刺せるわけです。
体質は、その人が好んで食べるものが原因になっている場合が多いので、なかなか難しいのですが、それが近道だと考えます。
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