FC2ブログ
2019/02/06

臨床テクニック 「DVDセミナーの内容から」

この「診断即治療」は、 gooブログ にも掲載しております。



脾査穴の取穴 



昨日はちょっとだけ「査穴」についてお話しましたが、きょうは少し突っ込んで査穴の話をしたと思います。

査穴は、12経絡全てに配置してありますが、よく使うのは陰経にある「陰査穴」です。
つまり、「臓」につながる経絡で、腎、肺、心包、心、肝、脾の査穴です。
腎査穴、肝査穴、脾査穴・・・・なんてものがそうです。

これらの査穴を使うと、1穴でいくつかの症状を消したりすることができるからです。
たとえば、腰痛のある患者さんが来られた時に、肝経に問題があるとなれば「右の肝査穴」だけで腰痛が取れたりするのです。
いや、右の肝査穴だけで腰痛の治療をするのです。

肝査穴や腎査穴を使った腰痛の治療は、講演のデモンストレーションでもよく使いますので、見たことがあるかも知れません。
即ち、右の肝経だけに、或いは、左の腎経だけに鍼を1本刺すだけで腰痛が治まるのですから、見ている人は面白いと思います。

腎査穴や肝査穴も面白いのですが、脾査穴はもっと面白いです。
脾査穴で腰痛を治療したことはあまりないのですが、脾査穴を使うと、全身の筋骨を整えることができるのです。

それは、「脾査穴=土」なので、土の働きによるものです。
どういう意味かと言いますと、『啓迪集』に【五臓六腑の精気は、皆脾より供給され~~~】という文章があるのです。

また、『春秋四時命苞』の【土というのは吐であり、それによって物を生ずるのである。】というのがあります。
そして、『説文解字』では、【土という字の二は、物が初めて地中から出るのを象(かたど)っているのである】となっています。

つまり、「土=脾」というのは、「五臓六腑の精気を供給するところ」であり、「物を生じる」のですが、それは「物が初めて地中から出るのを象っている」というわけです。
そして、もっと面白いのは、【(土は)大中至正の生気を得て、万物を包むことができるものである】ということも書かれています。

そして、【陰経の祖である任脈は、臓器の祖である脾(脾は諸陰の首)と同位配列となり、臓とも繋がるが万物を包む大宇宙とも繋がるのである】とされています。

ここで七星論での「頭部七星配置」を考えて欲しいのですが、頭部七星でも「任脈」と「頭七脾」は同じ角度なのです。
つまり、「任脈=脾」になっているのです。
※詳細は拙著 『人体惑星試論奥義書』 を参考にされてください。

また、「任脈の任」は「妊娠の任」でもあるので、婦人科の治療にはよく脾経の三陰交などがよく使われます。
「物が初めて地中から出るのを象っている」というのを考えると、婦人科(子宮)の治療に脾経を使う意味が分かるような気がします。

お母さんの体を地中とすると、赤ちゃんが地中から出てくるように、初めて大気に触れるわけですから、それを現象としてとらえると、「地中から植物の芽」→「母体から赤ちゃん」と、同じように考えることができます。

七星論は、太陽系惑星の配置を人体に当て嵌めて考え出したものなので、そのような流れになるのは、「自然な流れ」として受け取ることができます。
それを略図で示すと、

生命体の源となるエネルギーは宙(太陽)なので、エネルギーは宙(太陽)→水星→金星→地球→火星→木星→土星→黄泉(宙)と流れ、人体を生かすエネルギーは、土星→木星→火星→地球→金星→水星→宙(太陽)と流れると考えることができるわけです。

ですから、脾査穴を使うと全身の筋骨を整えることができると考えたわけです。
いや、考えただけでなく、臨床にも使るようにしたのです。

しかし、臨床でこんな小難しいことを言う必要はありませんので、患者さんにはいちいち説明しませんが、治療をする側はイメージだけでも頭に入れておくと、選穴がしやすくなります。
査穴には、もっともっと面白い「臨床への応用法」があるのですが、それはぼちぼち話していきます。
関連記事