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2018/11/11

お腹が1か月ぐらい痛い! 難しい腹痛の治し方 (11/25の臨床実践塾)

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あっちもこっちも痛いんです



先日、腹痛を訴える方が来られました。
問診はスタッフがしてくれるのですが、問診表を見ると以下のように書かれていました。

・1か月前からじわーッとお腹全体が痛くなる。
・便は少し出にくいかなという感じ。
・内視鏡検査も受けたが、特に異常はなかった。
・正露丸を飲んでいる。
・首、肩、背中のこわばりもある

んで、
「お腹のどこが痛いの?」と聞くと、

「どこと言うことはなく、あっちこっち痛いです」と言う。

「あ、こんな症状の人は久しぶりなので、ブログのネタに使う写真を撮らせてくれない? お腹の部分だけでいいですから……」と言うと、

「どうしたらいいですか?」というので、

「お腹の上に手を置いてもらえば、それでいいですよ」と写真を撮らせてもらった。

そして、脈診から始めたのですが、予想通り「脾虚」が出ていました。
何が予想通りかと言うと、この症状を「湿邪」と考えたからで、湿邪は脾経が絡んでいるからです。
つまり、脾臓(膵臓含む)に機能低下が起こると、腹部全体で代謝機能が低下して痛みが生じると考えられていて、それを「脾虚」と呼んでいるのです。

この場合、脾経と表裏関係にある胃経を使っても治療ができます。
つまり、脾経と胃経は「表裏なので一体」と考えることもできるわけです。
①「脾虚すれば胃実する」
②「脾虚すれば胃も虚する」という考え方があります

そこで、この方のお腹の痛みを治めるために、ある治療法を施してから、陰査穴と足三里に刺鍼して、しばらくしてから「梁丘」(胃経の郄穴)に刺鍼しました。
梁丘は、胃経ですが、七星論で観ますと、「胃経の土」になるのです。
つまり、七星論では、「胃経上で土の高さ」になるので、胃経と脾経を同時に治療できるというわけです。

足の三里に刺鍼してから少し時間を置いたのは、全経絡が整うのを待ったわけです。
理由は、20年ほど前になるのですが、「胃が痛い」という患者さんに、梁丘を使って治療しようとして、梁丘に刺鍼しましたら、痛みがひどくなったことがあったからです。
梁丘は「郄穴」ですので、刺激が強かったのだと思います。

そして、
「鍼をしている間に痛みが出るかも知れませんので、その時は呼んでくださいね」と声をかけておいたのですが、途中で、

「どう? お腹痛くならない?」と聞くと、

「だんだん気持ちよくなってきました」と言い、鍼を全て抜いた時点では、

「9割ぐらい治った感じがします」と言ってくれました。

実はこの方、腸の大手術をしたことがある方で、「病院での検査は問題なかった」と言うのを聞いてはいましたが、慎重に治療をしていたのです。
そして、問題なく治療を済ませることができました。
しかし、家での養生法として「サンゴ草」と言うのを飲んでもらうことにしました。
サンゴ草は、消化吸収を助け、肝機能を整えてくれるからです。
(当院で健康食品を勧めるのは年に1人もいません)

肝機能を整えるのは、七星論で「木:肝⇒土:脾」とエネルギーが流れると考えていますので、脾虚の治療に使えるからです。
当院でも、長年サンゴ草を扱っていますが、その人の体調に合わせてですが、「必要に応じて磁気処理」をして飲んでもらうようにしています。


(ここから少し難しくなりますがご了承ください)

経絡治療では、何かの「経」が虚すれば、五行論や東洋医学の治療方針の関係から五行では「虚すればその母を補う」となっています。
つまり、五行論では、木→火→土→金→水とエネルギーは流れると考えられていて、脾は「土」に置き換えられるので、土の母が「火」になるわけです。

ですから、この理論でいきますと、「脾虚」なら、「要穴表」で示される、「脾経の大都穴」や、心経の少府穴を使うことになるわけです。
ところが、私は何年も胸のポケットに「要穴表」を忍ばせて、この五行論による治療をしていたのですが、あまり上手くいきませんでした。

「何故だろう?」と何年も考え続けたのですが、行き着いたところが「五行論での相生理論への疑問」だったのです。
「相生」(そうせい)とは、エネルギーの正常なサイクル(循環)のことですが、筋力テストでテストをしてみると、理論通りにはならないことがわかったのです。
つまり、「火」(心経)を補しても、「土」(脾経)のエネルギーは上がらなかったのです。

では、どうすればいいのだ、と考え続けた結果、「人体惑星試論」(七星論)が生まれてきたのですが、まとめるのには15年ぐらいかかりました。
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