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2018/11/06

連載2:良性発作性頭位めまい症と「エプリー法」について (11月25日の臨床実践塾)

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脊椎の「歪みのモデル」をイラストで描いてみました
左側=正常   中央=捻れ   右側=ズレ(左右への変位)



最近、めまいの患者さんが二人来られました。
その中のお一人から、興味のある情報を頂きました。
それは、「エプリー法」というめまいの治め方です。

この方は、5月に最初のめまいが起こって倒れ、救急搬送されたそうですが、MRI検査をしても異常がなかったそうです。
そして7月に再び嘔吐、下痢、めまいを起こし、その2日後にも同じような症状が出たそうです。
その後に当院に来られました。

この方は、3回の治療で殆ど治ったのですが、念のために、もう一回来てもらいました。
初診の時に、この方のめまいへの対処法を教えてありましたが、ご本人も「研究熱心な方」でしたので、「エプリー法」というのを実践していたようです。
そのおおかげだと思いますが、その間にも2回ほどめまいは起ったようですが、軽くで済んだそうです。

ここで注目するのは、「エプリー法」というものです。
それは何かと言いますと、「良性発作性めまい症」(BPPVと言います)に使える対処法です。
良性発作性めまい症というのは、「特定の頭位で1分未満の短時間に起こる回転性めまいが起こり、悪心や眼振が起こる」のを特徴としています。
その原因として考えられているのが、「平衡砂(耳の中にできた砂)の結晶の変位によって起こる」というものです。

治療としては、
・症状を減衰させる誘発操作
・浮遊耳石置換法
がメインのようで、「薬物療法は推奨されない」そうです。

その中の、浮遊耳石置換法に「エプリー法」というのがあるのですが、これは「頭を特定の位置に動かし、位置がずれた耳石を卵形嚢に戻す」というもので、実際のやり方は、 こちらのサイト にありますので、参考にされてください。

ただ、このサイトにも書かれていますが、「この方法が万能ではない」とされています。
【この治療法が万能というわけではありません。あくまで、後半規管にできた浮遊耳石に対して有効な例があるということに過ぎません。
マスコミを含め、この方法がめまい疾患全般に対して有効であるかのような誤解を招きかねない扱いをしていることに危惧を覚えます。】

それでは、どうすればいいのかと言うことになりますが、私は上部胸椎から頚椎の歪みと、そこに影響を与えた臓腑を考えるようにしています。

ちょっと説明しますと、たとえば、めまいを起している患者さんの上部胸椎を診ますと、脊椎のズレや捻れのある場合があります。
この場合、捻じれではめまいは起らないようですが、ズレ(スライドするような変位)が出るとめまいが起こっているようです。(上のイラストの右側)
※ 実際のズレはごく僅かで、捻じれも伴っています

つまり、脊髄神経が圧迫されるような状態になるとめまいは起っていると考えることができます。
ですから、そのズレ(変位)を治せば、めまいは起らないと考えるわけで、その矯正をすることで、浮遊耳石が正常に戻ると考えるわけです。

「考えるわけです」というのは、検査機器のない鍼灸治療院ですので、断定することが言えないからです。
頼りないように思われるかも知れませんが、もう少しお読みください。

矯正と同時に、脊椎に歪みを与えている臓腑を整えることでめまいは治るのです。
これは、「入れ物」を直すことで、中身も整ってくるという考え方ですが、この考え方は「筋骨系の治療法」にもたくさん使われていますし、このエプリー法にもこの考え方を当てはめることができます。

たとえば、エプリー法では、首を捻じって耳石の動きを調整していますが、首を捻じるという動作は、筋膜リリースで考えると、「筋肉や筋膜」の「ヨジレ」を矯正していることになるからです。

つまり、ヨジレは取れてもズレがあるとめまいが残るわけです。
これは患者さんを仰臥にして、頚椎から上部胸椎の棘突起と横突起を触診すると、上のイラストのようになっていることがわかります。
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