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2018/07/01

骨粗しょう症による恥骨骨折と仙骨骨折



このように仙骨が歪んでいました(モデルは他の方です)



「恥骨を骨折し歩けないし、じっとしていても痛い。右の臀部から足の外側が痺れて寝がえりも打てない」という方が来られました。
X線検査でもMRI検査でも「恥骨骨折」と診断されたらしい。
(多分、仙骨も骨折していると思いますが、病院では恥骨骨折だけの診断)

そして、「痛み止めを飲んで寝ておけば3か月ぐらいでは治る」とも言われたそうです。
しかし、寝ても起きても痛みとシビレが強いので、鍼灸で何とかならないだろうかと思い、家族に連れられて当院へ来られました。

もう6回ほど治療しているのですが、最初の治療の時は、右臀部(大殿筋)から下肢外側が痺れていて、大腿内側もこむら返りのように痛い、と言っておりました。
年齢は89歳です。
骨粗しょう症で自然骨折(いつのまにか骨折)したのです。

当院の玄関からベッドまでは、事務イスを車イス替わりにして、引っ張っていきました。
そしてベッドに座ってもらおうとすると、「ギャー!」、「ヴァあー!」と大きな声を出して痛がるのです。

何とか痛みを取ってあげたいと思い、頭蓋JAAでの「鎮痛点」へ刺鍼してから治療を始めたと思います。(あまりに痛がるので、私も記憶に残っていません)
治療方針を立てるために、腰や股関節の可動域を調べようとしても、動くことで痛みが出てきて、「ギャー! はぁ!」・・・「ヴァあー! は、はぁ、はぁ、!」と大きな声と息づかいをして痛そうです。

背中から脊椎の歪みを診ると、仙骨が折れたように仙骨下部が右に歪んでいるのです。
ですから、先に巨鍼療法で、その歪みを取ることにしました。そうすれば、右臀部から下肢の痺れ、大腿内側の痛みが軽減されると考えたからです。
そして、ベッドの上に高いマットを作り、その上に伏臥になってもらったのですが、その時は静になっていました。


このような恰好で巨鍼をしました(モデルは他の方です)



そして巨鍼を施してから、腰部に多裂筋刺鍼をしました。
起き上がってもらうと、ちょっと楽になったようでしたので、それ以上の治療は体力を奪ってしまうと考え、その日はそれで治療を終了しました。

そして、2回目、3回目と治療を重ねてきたのですが、その方の治療で、興味深かったのは、2回目の治療のとき、仰臥になって左右の足を外側に倒してもらうと、どちらの足もすっと開くのです。
「あれっ?」と思い、
「ほんとに恥骨骨折なのですか?」と聞いてしまいました。


右恥骨骨折でもこの開脚はなんともない(モデルは他の方です)


しかし、ネットで調べてみると、整形外科のサイトに、
「骨粗しょう症による恥骨骨折では、同側の仙骨も骨折している場合がある」という説明をされていました。
しかし、検査を受けた病院では、「恥骨骨折」だけしか言われておらず、「薬を飲んで3か月ぐらいすれば治る」としか言われてなかったようです。

そして、2回目の治療に来たときには、シビレが取れて少し動けるようになったようで、
「足を鍛えなければ」と思ったのか、ダイニングテーブルを掴みながら、歩く練習をしていたそうで、痛みを再発させていました。

なので、「慌てないでください。無理をして負荷をかけるとひどくなりますから、できるだけ横になっていてください」とお願いしておきました。
そして、4回目だったと思いますが、
「冷蔵庫まで行って、冷蔵庫からモノを取ることができるようになりました」と話していました。
しかし、その時も、
「必要以上のこと(トイレなど)はしないほうがいいですよ」と話しておきました。

そして6回目に来たときは、仙骨の歪みもきれいに治っていたせいか、、
「足の痺れがなくなったので助かりましたわー」と言い、
「前は少し動くと“ギャー”と言わなければならなかったのですが、今は“うッ”と唸るだけになりなました」と話していました。

ここまでくると、後は時間の問題だと考えますので、ブログに書き残しておくことにしました。

この治療のポイントは、仙骨の歪みを取ることのようです。
仙骨の歪みを取らないと、いつまでも痛みが続いたと思います。
巨鍼は骨折の治療ではいつも驚くような効果を発揮してくれます。
でも、無理は禁物なので、できるだけ下半身に負荷をかけないようにすることが大切です。

しかし、腑に落ちないのは仙骨の歪みです。
多分、仙骨も骨折していたのではないかと思いますが、病院で見落としたのではないでしょうか。
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