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2018/06/17

左腕の痺れ、息がしにくい (6/24の臨床実践塾)



右側頭部に1本鍼をしました



・左腕の痺れ(上腕は外側、前腕は内側が痺れている)
・息が吸いにくい
と訴える方が来られた。

上の写真のように、右側頭部に鍼を1本刺してから様子を聞いてみた。

「シビレはどうですか?」

「えっ?」(私の質問の意味が分からない様子でした)

「いやいや、左腕の痺れは?」

「ああ、すこし軽くなった感じがしますね」と言う。

一瞬のやり取りだったので、仮に傍で見ていた人がいたとしても、何が何だかわからなかったと思います。
と言うのは、お腹をちょっと触ってから、右側頭部に鍼を1本刺しただけなので、患者さんも、私が何をしたかわからない様子だったからです。

それから査穴(七星論独自の経穴名)に刺鍼して、再び、

「どうですか? シビレは取れましたか?」と聞くと、

「ええ、取れたみたいですね」と言っていました。

左腕の痺れなのに、なんで右側頭部に鍼をしたのだろう、と考えた人は多いと思います。
これは神経交差を考えたわけではなく、脈位を基本にしたのです。
つまり、七星論での脈位は、右手に「肺・大腸、肝・胆、心・小腸」と並べてあり、腹部で「肝・胆」と診たので、右側頭部に刺鍼したわけです。

仮に、私が手技療法の研究をしていたとすれば、先ず頚椎や肩関節、あるいは僧帽筋や肩甲挙筋、棘上筋、三角筋、上腕二頭筋・上腕三頭筋、……etc、等々の筋肉異変を探したと思います。
そして、異変を探しても、調整するのに何分もかかったはずです。

しかし、この治療法は、非常に短い時間で結果が出せます。
私自身も「あれっ?」と思うほどの早さで症状が取れてしまう場合も少なくないのです。
さらにこの患者さんの場合は、「上腕は外側に、前腕は内側にシビレがある」と訴えていますので、経絡で考えると、上腕は陽経で前腕は陰経になるので、陽経と陰経の2経を使うのが一般的な考え方になるはずです。

しかし、実際に使ったのは「右側頭部の1穴」だけです。

「頭蓋JAAは」というより「頭皮鍼は」、不思議なところがたくさんあります。
「症状に対して刺鍼部位が一定しない」のです。
驚かれる方もいると思いますが、頭皮鍼をしている先生方も、それを感じているはずです。
ただ、そんなことを言うと、「科学性がない」とか、「まやかしだ」と言われるのを恐れて、「この症状にはこのツボ」という表現をしていると思います。

というのは、2014年に私が発表した「頭蓋JAA」も、この「刺鍼部位が一定しない」という理不尽な「筋道の通らない」臨床結果に納得がいかず、そのまま寝かせてあったのです。
「治療は上手くいく、しかし理論的に解説できないという、治療法を誰が信じてくれるだろうか」と考えたわけです。

それは頭蓋jAAだけではありません。
他の頭皮鍼法も一緒と考えています。
きちんと部位を決め、誰がやっても同じ結果が出せる、というのは難しいと思います。
「脳の構造」から、頭皮への反射を考えて組み立てられているのもあるのですが、理論的には納得できても実際には結果がついてこなかったのです。

考えてみれば、鍼灸学の「経絡」についてもそうです。
未だに科学では証明できてないのです。
科学で証明できなくても、実証はできるというのが経絡なので、それが、一部の現代医学者から「インチキだ」と非難される原因だと思います。

ただ、避難するだけでは、「自分の知らないことは隠す」だけの自己防衛になってしまいますので、反証しなければならないと思いますが、納得できる反証を見つけることができません。
反証できないというのは、即ち、「暗黙の了解」ではないかと考えるわけです。

兵法に「彼(か)を知り己を知れば百選危うからず」というのがあります。
その「彼を知る」ことができてない間は、攻撃すべきではないと思います。

あ、その患者さんですか?
治療が済んだときには、腕の痺れも、息がしにくいというのも完全に取れていましたよ。
「息がしにくい」というのは、心包経が関わっていましたので、肝を整えることで心包(心筋)も整い、呼吸も楽になったわけです。

今年の臨床実践塾 は、スタッフ講習、及び講師養成のためのDVD制作を目的にしていますので、案内ハガキも少人数しか出していません。
興味のある方は、直接当院(06-6765-7622)にお問合せください。
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