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2018/06/11

頭蓋JAA(頭皮鍼)の効果的刺鍼法と検査法 (6月24日臨床実践塾の準備)




指標は腹部を押圧するだけです 



頭蓋JAAで思うところがあり、先日3人のスタッフを交えて実験をしました。
実験では、「再現性を重視した指標」で検査方法を目指しました。
最初は、いつものように経絡筋力テストを使ってやったのですが、筋力テストをやりすぎると筋肉痛を起こす可能性があります。
そこで考えた着いたのが、反射点を使う検査法です。

この検査法を使うと、モデルになる人も術者も疲れが出ません。
そして、モデルにも、術者にも、その変化がわかるのです。

普通、「指標」とされるのは、筋力を使った方法や、可動域制限を使った方法、そして触診等が採用されます。
しかし、この検査法は「腹部押圧での反応」を指標にします。
押圧での反応とは、たとえば「六臓診」のように、押圧や叩打で確認することです。
※ 六臓診とは、腎・膀胱、肺・大腸、心包・三焦、心・小腸、肝・胆、脾・胃の経絡反応点や解剖学的部位を押したり軽く叩いたりして臓腑を診断する方法です。

「それでは六臓診と一緒じゃないか」と思う人もいると思いますが、六臓診は、その経絡や臓腑につながる部位で行うのですが、この診断法は腹部だけで行います。
腹部に出る圧痛や張りなどで診断する方法です。

たとえば、他の診断法で迷いが出るとき、この診断法を使い、頭皮鍼で確認すれば、自信をもって病因となる臓腑を確定することができるのです。
つまり、腹部で診断した臓腑の頭皮反射区に刺鍼して、腹部に変化があるかどうかを診るのです。
そうすることで、手が痛い、足が痛い、背中が痛い等々の症状がある場合、どこの臓腑が関係しているかがわかるわけです。

スタッフと一緒にそのような実験をしたわけですが、この診断法を使えば、診断のできない鍼灸学生でも診断ができるようになりそうです。
そして、その診断に合わせた頭皮鍼を使えば、治療もできるようになります。
つまり、症状と原因臓腑をつないで治療ができるようになるというわけです。

今回の実験では、実験の前に脈診やその他の診断は一切しませんでした。
それは、実験の前にそれらの診断をすると、それらの診断で得た結果が「思い込み」になる可能性があると考えたからです。
ですから、術者も被験者も、どのような結果が出るかはわかりません。
そうすることで、正しい検査結果が得られると考えたわけです。

鍼灸や漢方でよく使う脈診は、術者だけが納得する診断法ですので、患者さんにも納得できる診断法が必要だと考えているわけです。
そういう意味で、私はいつも患者さんも納得できる診断法を探しています。
それが治療で大きな役割を果たすと考えているからです。

それで、3人のスタッフが、代わる代わる被験者になり、実験をしてもらったのですが、かなり納得できる結果が得られました。
この実験方法を使うと、頭蓋JAAだけでなく、多くの頭皮鍼の診断や治療テクニックも進展させることができると考えています。

理由は、手法が簡単だからです。

この実験にはスタッフも納得したようで、仕事が済んで帰るときには、
「きょうは勉強になりました。ありがとうございました」とお礼まで言っていました。

6月24日の臨床実践塾では、この検査方法の使い方と、臨床での使い方を説明して、当日は参加者全員が使えるようにするつもりです。
今まで診断に自信のなかった人はきっと、新しい世界が広がります。
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