FC2ブログ
2018/05/23

巨針の妙技は分刺にあり (5/27の臨床実践塾準備)



写真① 巨針の針先



写真② 普通に使う毫鍼の針先



初めて巨針療法を受けた人は、

「血は出ないんですか?」とか、

「何本刺したんですか?」とか、

「今、大きな鍼を刺していましたよね」なんて言う人がいます。

それを簡単に説明してみます。
たとえば、「何故、血が出ないのか」については、上の写真①を見てください。
これが巨針の針先の拡大写真ですが、針先がやや滑らかなカーブになっているのがわかるはずです。
このカーブと、鍼の刺し方で血が出ないのです。

普通の鍼ですと、写真②に示したように、針先が鋭利に尖っています。
一方、巨針の針先は、写真①のように、針先が鈍角になっているのです。
刃物と言うのは、鋭利であればあるほど生体を傷付けてしまうので、普通の鍼のほうが出血もしやすいわけです。

針先が鈍角になっていると、「分刺」という刺鍼法になり、生体の「層」を分けながら進むので、生体を傷つけることが少なくなるわけです。
そのことを古典では、こう説明されています。

『霊枢』九鍼論篇には、【必長基身、鋒基末、可以取深邪遠痺。】(必ず其の身を長く、其の先を鋒にすれば、日にちが経過した深部の痺症を治すことができる。
※ 痺症とは、神経痛・リウマチの他、慢性関節痛、坐骨神経痛、頸椎症、五十肩、痛風、筋肉痛などの症状をいう。

そして、『霊枢』官鍼篇では、【分刺者、刺分肉之間也】(分刺なる者は、分肉の間を刺すなり)
つまり、肉の間を分けて刺す、と言うことで、私が巨針をするときに、
「巨針は筋肉と皮の間にある脂肪層を通すので、そんなに痛みはないです」と言うのがそれに当たります。

巨針の難しさは、この刺鍼の段階で、「肉の間」(皮と筋肉の間にある脂肪層)に針を入れれるかどうかによるわけです。
ただ単に鍼を刺せばいいというものではないので、熟練してない人が刺す巨針は、時に痛みを覚えるわけです。

では、どうすればいいかと言うことですが、職人になるつもりで、修練する必要があると考えてください。
そのためには、「巨針の制作」からやることです。
買ってきた巨針では、修練ができません。
簡単に諦めてしまいます。

巨針を教えるときは、「巨針の制作」から教えるのはそのためです。
何故かというと、自分で作った作品というのは愛着があるもので、少々辛くても手放したくないもので、「巨針の制作」も一緒です。

昨今は、
「学ばなくても、誰でもすぐにできます」というのが多いのですが、誰でも簡単にできるようなテクニックなら、学ぶ必要はないのではないかと考えてしまいます。
即ち、価値の問題ですが、たとえばスポーツですと、何度も何度も訓練して、初めて成功するテクニックこそが「価値あるもの」だと考えるわけです。

話を戻しますと、この「分刺」というのは、自分の手に伝わる感触で、「脂肪層に入った」というのがわかるのですが、最初からその感触をわかる人はいません。
そして、それが上手くなるほど、スムーズに巨針を操作できるようになります。

5月27日の臨床実践塾 では、その辺りも説明しますので、おそらく参加者は新しい「マイブランド」を作ることになると思います。
関連記事