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2018/04/17

一穴鍼法が上手くなる秘訣 (4/22の臨床実践塾)




七星論での脈位



一穴鍼法で使う脈位は、上図の配置になります。
これは日本で広く使われる脈位とは違います。
日本で多く使われる脈位は『脈経』、あるいは『難行』に記されたものが多いのですが、中国で多く使われているとされるのは、李頻湖の脈位だそうです。

李頻湖の脈位は、左寸口に膻中(心包経)が配置されています。
さらに、明代の著名な医家で、温補派を代表すると云われ、後世に大きな影響を及ぼした張景岳は、左寸口に心包、右尺中に小腸を配置しています。
私は、それらを参考にしながら、臨床で得られる結果から、「左寸口に心包」を、「右尺中に心」を配置しました。


難行での脈位



その脈位を考えていたころ、何かの本で
【昔は、肝臓が左にあり、脾蔵が右にあると考えられていた】というのを読んで、古典の脈位は、【右手に脾、左手に肝が配置された】ということに納得し、七星論での脈位もそのように配置したわけです。

もちろん、それだけで配置を決めたのではなく、基本は臨床経験です。
脈診に関する本も何冊か読んだのですが、滑伯仁の『診家枢要』を翻訳した豊田白詩氏も、その著で【相火(心包)の脈は注意深く診る必要がある】と、興味深い発言をしています。
つまり、日本で多く用いられている脈位は、左の寸口が「心・小腸」、関上が「肝・胆」、尺中が「腎・膀胱」、右の寸口が「肺、大腸」、関上が「脾・胃」、尺中が「心包(命門)・三焦」となっているので、豊田氏も臨床で苦しんだことが伺えたのです。

最初は、私も脈経や難行に書かれた脈位で勉強したわけですから、かなり苦しみました。
脈を診ては、
「おかしい。わからない。何故だ? ああ、私には脈診ができないのだろうか?」と何度も自問自答しました。

しかし、七星論の脈位を考えてからは、その不安は払拭されました。
そして、この脈位を鍼灸学校でも教えたのですが、一週間もすると脈診(祖脈)ができるようになっていたのです。
そして、臨床実践塾でもその脈位を教えたのですが、そこでもやはり次回の臨床実践塾までには、脈診ができるようになっていたのです。

もっとも、鍼灸学校の生徒さんは、他の先生方との関係があるし、臨床実践塾では所属する鍼灸会などとの関係もありますので、公には「七星論での脈位」を隠している人が多いようです。(^_^;)
公にするのが目的ではなく、「如何にして治すか」が目的ですので、それはそれでいいと思います。

ただ、上記で説明してきたように、著名な医家の間でも脈位の大きな違いがありますので、「これでなければいけない!」と考えるのは、自分の成長を止めてしまうのではないかと考えてしまいます。
近年は、「個性」が強調されていますので、「みんなと違う脈位は個性」としてもいいのではないかと考えるわけです。

さて、きょうのタイトルの「一穴鍼法が上手くなる秘訣」ですが、実は脈位と深い関係があります。
たとえば、 4月22日の臨床実践塾 で説明する「一穴鍼法」では、脈位が非常に重要になってきます。
それは、右の脈位にある臓腑に異変がある場合は、主に右の手足に取穴するからです。
即ち、症状は左半身に出ていても、変調のある臓腑の脈位であれば、右の手足に取穴するわけです。

もっと具体的に言いますと、
仮に「左のお腹が痛くて、左の肩も凝っている」という人がいたとします。
そして、脈診をすると、右の寸口(肺・大腸)に変調があったとします。
その場合、体の症状としては左に出ていますので、左に取穴しそうですが、そんな場合でも右手に取穴するのです。

もっと別の症例で説明しますと、
「右に腰痛がある」という患者さんが来たとします。
脈診や脊椎診で、「腎」と診断したとします。
そんな場合でも、腎の脈位が左ですので、左足の腎経に取穴するわけです。

そして、臨床家が大事にしてほしいことは、「やってみること」だと思いますので、当該のような患者さんが来られたら、許可をもらってやってみることです。
※ この取穴法は多くの臨床家が結果を出していますので安心してやってみてください。



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