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2018/04/10

心房中隔欠損症の長期的な影響について(4/22の臨床実践塾)



小腸査穴でテストをしてから、大腸査穴・三焦査穴・小腸査穴に刺鍼



先日、以下のようなことを訴える患者さんが来ました。
・2週間前に立ち眩みがあり、1週間ほど続いた
・食事の途中でお腹が痛くなることがあった
・この半年ぐらい、微熱のような感じでダルさがある
・昨日、キツメの頭痛があったが。すぐ治った
※ その他にも症状はあったのですが、とりあえずこれだけに絞っておきます。

若い女性で、1年に1回か2回来たり、何年か来なかったりするのですが、いつも1回の治療で治る方です。
がしかし、カルテに書かれたこの症状を見て、ちょっとまずいかな、と思いました。
理由は、それらの症状から伺えることは、「小腸→心臓」の症状だからです。

私が診断するときは、だいたい六臓に絞って、症状と六臓との関係を話すのですが、今回の場合はそうはいきません。
何故なら、「六臓」ではなく「六腑」になるからです。
つまり、これらの症状の直接的な原因となるのは「小腸」と考えられるからです。

ですから、
「小腸がおかしいようですよ」と言うと、不思議な顔をして、
「小腸ですか?」と言うので、理解してもらうために小腸部を軽く押しました。
すると、すごく軽く押したにも関わらず、

「う!」と声をあげていました。

「痛いでしょう」と言うと、

「はい痛いです。何故ですか?」と言う。

「いやぁ、だから言ったじゃないですか、小腸に問題があるって……」

「は~」

「あまり納得できないようなので、小腸に関係するツボに軽く鍼をしてみますね。これで痛みは少なくなるはずですから」と、小腸査穴に1本鍼をしてから、再び小腸部を軽く押したのですが、先ほどのような反応はありませんでした。
痛みが軽くなったのです。

「ね! 痛まなくなったでしょ!」

「はい。でも、どうしたらいいんですか?」

「そうやなー、それは鍼をしながら説明しますね」と言いながら、左右の手の、大腸査穴、三焦査穴、小腸査穴に鍼をしました。
しかし、下肢は陰経を使いました。

そして、一応の治療が済んで待合室で待ってもらっていたら、お母さんが来て、

「さっき聞こえていました。この子はやっぱりまだ心臓に問題があるんでしょうか?」と聞くので、

「やっぱりって、前に心臓が悪かったんですか?」と聞いたら、

「先生ったら、この子が生まれたときに、先生にいろいろ教えてもらって手術をせずに済んだじゃないですか」と言われたので、ハッと気付きました。

「あ、そうか。ごめんごめん、そう言えば、その頃は他にも心房中隔欠損の子どもさんがいたし、心臓以外の難病患者さんも多かったし、直接鍼もしてないので、年月が経つとともに、誰がどんな病気だったかはっきり覚えてないのです。すみません」と謝っておきました。
(正直に言います。完全に忘れていました)

すると、
「やっぱり、まだ治ってないのでしょうか」と言うので、「過去の病気と現在の症状の関係」を説明しておきました。

「この子の中隔欠損が見つかったのは24年前の話なので、今まで何ともなかったら、心配ないですよ。ただ、臓器を傷めたら、その影響が出てくる場合は多いです。たとえば、腎炎などをした人に多いのですが、腎炎は治っても、腎臓に関係する病気が出やすくなるのです。アレルギーが一番多いようですが、頚椎の問題とか、消化器の問題なども出てくる人がいます。とにかく腎経に関係する病気が発生しやすくなるわけです。この子の場合は、①立ち眩み、②食事の途中でお腹が痛くなる、③微熱のような感じのダルさ、④キツメの頭痛等々がそうですが、それらは全て“小腸や心臓”からの症状と考えられるのです。しかし、これだけ大きくなったのだから、あまり心配する必要はないと思いますよ。ただ、そういう弱点があるということだけは自覚してもらったほうがいいですね」と言うと、

「食事ですねー」と言うので、

「はい。そのほうが確実に健康を維持できると思います」と返事しておきました。

ここで、普段は「心・小腸」なら、「心経」を使うのに、何故「心経」を使わずに「小腸経」を使ったかということが大切になります。
簡単に言うと、小腸からの症状が強く出ていたからですが、東洋医学で考える病の侵入というのは、「皮膚から陽経の腑に入り、次いで陰経の臓に入り、骨に達すると死ぬ」という表現がなされます。

つまり、イラストに描いたように陰(皮毛)、→陽(腑)→陰(臓)、→陽(骨)という順序で病が進行していくというわけで、骨に達すると致命的というわけです。



病の侵入順序が概説図


ですから、小腸からの症状が強いと診断したら、「病がまだ浅い状態」と考えていいわけで、そこで病の侵入をくい止めるのが理想というわけです。
また、陽経に病がある時は、「実(邪気が盛んの状態)」の場合が多いので、鍼灸では「瀉法」を使うこともありますが、この患者さんの場合は実が感じられなかったので、補法を使いました。



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