左側頭部が痛いときの一穴鍼法(4/22・臨床実践塾)

左胆査穴への刺鍼で即座に痛みが取れます
「左わき腹が痛く、左側頭部も痛いです」と訴える方が来られました。
これをその場で治めるには、難しいことはないというか、簡単過ぎるのですが、根底に何があるのかを知れべて、根本的なことから治めなければならないので、とりあえず脈診をしました。
脾虚が出ていました。
脾虚というのは、七星論で考えると、肝の疲労(代謝の低下)があり、肝の疲労に続いて脾虚が出てくると考えています。
それは、下図の「七星論でのエネルギーの流れ」を見るとわかりますが、エネルギーは「木=肝・胆」から「土=脾・胃」に流れるので、木のエネルギーが少なくなると、土にエネルギーを送るのが少なくなり、「脾虚」をいう状態になると考えているからです。

七星論でのエネルギーの流れと相生・相剋
ですから、「木=肝・胆」を補して、「土=脾・胃」の代謝が上がれば、それで根本的な治療になるわけです。
しかし、即座に痛みを治めるほうがいいので、
「とりあえず、頭の痛みだけ先にとっておきますね」と言うと、
「はい!」と返事をしていましたので、写真のように「左胆査穴」に刺鍼して、5回ほど捻鍼をしてから、
「どう? 治ったと思いますが……?」と聞くと、
「はい。治りました」と言う。
わずか1分程度の出来事ですので、初めて見る人、あるいは、このブログを読んでいる人には信じられないかも知れません。
しかし、私たちはずっとこんなことをしています。
やっていることは、「経絡施治」(経絡弁証)になるのですが、考えるのは「臓腑弁証」も参考にしながら考えていきます。
※ 経絡弁証とは、経絡学説に基づく「症状や徴候」などから病気と関係のある経絡と臓腑を分別する方法。
※ 臓腑弁証とは、臓腑の生理機能と病理変化を考え、病変部位や性質等を分別して病因を考える方法。
ちょっと難しいですかね?
簡単ですよね。(^^;)
やっていることが単純ですもんね。
4月22日の臨床実践塾では、このような弁証方法を説明しながら、「一穴鍼法」の使い方を説明していきます。
七星論による「一穴鍼法」は、「この症状にはこれ!」というものではなく、
① どのようなときに一穴鍼法を使うのか
② この症状が出たときには、どこを診るか
③ この症状は、どのような流れになっているのか
④ この症状に、何故このツボを使うのか
⑤ 何故「一穴」でいいのか
等々を説明しながら、明日からの臨床に役立てられる方法を解説していきます。
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