咳が続いて胸が苦しいし肩も痛い (2/25 臨床実践塾の準備)

写真① 胸郭部への鍼

写真② 顔への七星配置
タイトルのような症状を訴えて来た方がいました。
咳をし過ぎると、確かに胸が痛くなると思います。
そんな場合、前面から治療する方法と背面から治療する方法があるのですが、とりあえず胸の痛みを和らげるつもりで、脳幹区、大脳区、肩反射区、顔面の胸郭反射区へ鍼をしました。(写真①)
「どうですか? 胸はちょっと楽になりました?」
「あ、楽になったみたいです、うふっ。頭に鍼をしたんですよね!」
「ええ、脳幹や大脳の活性を図るのと、胸の痛みを抑えるような鍼をしたんです」
「ふ~ん」
咳が続いて胸が痛くなる場合は、普段あまり使わない肋間筋という筋肉が過剰に刺激され、筋肉痛のような状態になる場合もあるので、その筋肉痛を取り去るつもりで、肋間に鍼をするのも一つの方法ですが、背部から肋間筋を緩めるつもりで、背部へ鍼をして治療効果を上げる方法もあります。
しかし、写真①のような方法は、「反射区療法」とでも言いましょうか、反射的に出て来る部位に刺鍼して、最初症状に症状を治める方法と使います。
「私は」と言うのは、頭皮鍼の流派によっては、「中枢からの治療」と説明しているところもあるので、「私個人はそう考えている」という意味です。
それは、写真②を見て頂くとわかると思いますが、七星論での顔面配置は、額に「水=腎・膀胱」「筋=肺・大腸」「地=心包・三焦」を配置しており、写真①の額への鍼は、七星配置の「金」、則ち「肺・大腸」になるからです。
逆に、たとえばおでこのその部位に、ニキビや吹き出物や痛みなどの症状が出た場合、肺経や大腸経でも、ある程度治められるということになります。
ついでに話しておきますと、ニキビの出る部位で、どこの臓腑が弱いかもわかるわけです。
もし、写真②の「金」の部位にニキビが多いとすると、「肺・大腸」(ニキビの場合は主に大腸)が原因と考えて治療すれば、治しやすいわけです。
胸は、肋骨や胸椎に異変が出ていると考えてもいいのですが、「その肋骨や胸椎に異変が出たのは何故なのか」というところまで考える必要があります。
もちろん「咳が原因」と言ってもいいのですが、咳も症状の一つですので、「その咳は何故出てきたのか」という事を考える必要があるというわけです。
そんな場合は、脈診で診るよりは、七星論の「六臓診」で診たほうが的確な診断ができます。
それは何故かと言いますと、脈診は「今、現在」を診る方法だからで、「六臓診」は、時間が経過した病因まで見つけることができるからです。
この患者さんのような症状を、「筋・骨格系」と診るのか、「臓腑の異変」と診るのかは、各治療師によって違うと思いますが、再発させないためには、「臓腑の異変」と捉えたほうが賢明と思います。
さらに、「咳が何日も続いた」と言うなら、咽喉や気管支に炎症も出ていると思いますので、「炎症を治める治療」も必要だと思います。
あ、その患者さんですか?
もちろん、胸の痛みは取れたし、肩の痛みも取れました。
この患者さんは、治りがいい方なので、これで多分1~2ヶ月は来ないと思います。
いつもそうですから……。(^-^)
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