左のお尻だるく、左膝裏から太ももにかけて痛みが出てきた。「原因と治療」

写真① これ以上は痛くて曲がりません

写真② すごいですねー。こんなに曲がります
タイトルのようなことを訴えて来た方ですが、大笑いすることがありました。
スタッフが問診したカルテによりますと、以下のような様子だったようです。
① 1月上旬にインフルエンザになり、タミフルとカロナールを飲んでいました。その後、右の肋骨の下辺りが時々キューッと押される感じがあります。
② 左の臀部がだるく、1週間前から左の膝裏から太ももにかけて痛みが出てきました。今週の火曜日に、その部分に激痛が走って動くのに支障があり、膝を伸ばすことはできますが、曲げるのが困難です。
③ シップなどを貼ってみたが効果はあまりみられないです。火曜日よりは少しマシになっています。
④ 3.4日前から咽喉に痰がからむ感じがある】
先ず、①の「肋下部が押される感じ」というのは、肝臓の反応と考えられます。
つまり、タミフルやカロナールによる軽い副作用と考えていいわけです。
たとえば、厚生労働省のHP に掲げられた副作用に、「白目が黄色くなる」というのは、黄疸になりかけた症状と診ることができますし、「腹痛、下痢、吐き気、嘔吐、おなかがはる」というのも、肝臓と関係した症状と診ることができます。
そして、「食欲不振、胸焼け、体温が平熱より下がる、ものが二重に見える、背中が痛い」なども東洋医学的に考えますと、「肝の関係」と診ることができるわけです。
そして、左の臀部と膝の痛みは、七星論で診ますと、膝が「金:肺・大腸」ですし、大腸に異変が起こると大臀筋にも異変が起こりますので、大腸が原因と考えることができるわけです。
さらに、厚生労働省の副作用にも、「血便、下痢、お腹がはる」などと書かれていますので、大腸と深い関わりがあることは否めません。
ここからが大事なところですが、お尻のだるさや膝の痛みというのは、筋肉が関係しているので、膝痛を治療するのも大切ですが、筋肉の関係。
即ち「肝」の治療もしておかないと、すぐに再発させてしまうということです。
そんなことを考えながら、
「かなり痛そうなので、写真を撮らせてくれませんか。顔は撮りませんので…」と言うと、
「いいですよ」と言うので、カメラを向けたら、
「あ、ああ、あ、先生、お腹が写るのでお腹を隠します」と言う。
「あははは、顔は写らないから大丈夫ですよ」
「いや、いや、でもお腹が」
「大丈夫やて、誰かわかりませんよ」
「ああ、でもお腹が……」
「大丈夫ですよ。顔は写らないので誰かわかりませんよ。あははは、、、、」
と言いながら写真を撮って、見てもらった。
それが写真①で、ここまで曲げると痛みが強くて曲げられないと言っていました。
それから治療を始めたのですが、最初に「良くなる」という感覚を持ってもらうために、大腸経で膝の痛みを軽くすることにしました。
「ちょっと手を貸して!」と言い、手の大腸経に少し刺激を与え、膝の痛みを確認してもらったら、
「ああ、曲がる。ええーっ、曲がりますね」と声を上げた。
「そうなんです。この症状の直接の原因は大腸なので、大腸経を刺激すると、これぐらいは回復するわけです。でもこれは一時的な効果しかありませんので、これから根本的なところを治療していきますね」
そんな話をしながら、スタッフに腹部から大腸を動かす操作をしてもらった。
そして再び写真②のように膝を曲げてもらったら、感激した様子で、
「いやー、曲がる。こんなに曲がりますね」と言うので、
「でしょ、ちょっと待って、また写真を撮らせてくださいね」と言うと、
「ちょ、ちょっと待ってください、お腹を凹ませますから」
「あははは、大丈夫やて、顔は写らないのだから誰かわかりませんよ」
「でも、先生のブログに載せるんですよね!」
「だから、顔が写らないので誰かわからないんだって!」
そんな話をしながら治療を進めていったのですが、治療が終わるころには、膝が胸の近くまで曲がるようになったので、
「良かったわー、早く来たかったのですが、一人では歩けないので、きょうも娘にお願いして車に乗せてきてもらったんです」と話していました。
そしてそして、帰るときにわかったのですが、杖を持っていました。
「そんな歳で、ばあさんみたいに杖をついているんかいな」と言うと、
「そうなんです。ジイサンみたいと言われるのですが、痛くて歩けないので……」と言いながら、杖を手に持って帰って行きました。
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