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2017/10/16

慢性疲労症候群の治療法から考える (董氏の鍼と高麗手指鍼)

慢性疲労症候群
    慢性疲労症候群の治療

指先への鍼
    上の写真で鍼の部分をズームアップ


慢性疲労症候群とは、簡単に言うと、
【疲労がひどくて身体を動かせない状態が半年以上続いたり、再発を繰り返したりして、普段の生活に支障をきたすような場合に付けられる症候群(ある病的状態の場合に同時に起る群を成した症状)】のことです。
診断基準は、 こちら を参考にしてください。

上の写真は、先日病院での研修に行ったときの写真ですが、その日は慢性疲労症候群の患者さんが二人おられました。
先生が頭皮鍼をしてから、写真のように中指の先に、「ところ狭し」と鍼を刺すのです。

この写真の人は女子高生で、殆ど良くなっているらしく、旅行かどこかに行く話をしていました。
先生とこの患者さんに許可をもらってから撮影したのですが、撮影しながら、
「こういう鍼は私でもできるのだろうか」と自分の指先を見てしまいました。

すると、「三温鍼」(冷え性の鍼で、指先に刺す鍼)を思い出し、「あ、私にも出来るんだ」と確信しました。(^_^;)
と言うのは、私は自分に打てない鍼は、人にも打ちたくないのです。
だから、巨鍼を教える時も、「まず自分の足に打ってみて!」と言うのです。
それができないなら、人に打つ資格はないと考えるからです。

さて、話を戻しますが、慢性疲労症候群の治療で、何故指先に鍼をするかということですが、それを「高麗手指鍼」と「董氏の鍼」で考えてみたいと思います。
まずは高麗手指鍼の配置図を見てください。

高麗手指鍼1
    高麗手指鍼での基本的な手への配置図

中指が体の中心で指先が頭になっています。
ついで示指と薬指が手で、親指と小指が足になっています。
つまり、中指の指先に鍼をして、脳への刺激を利用していると考える事ができます。

では、董氏の鍼ではどうでしょうか。

右手の平
    董氏の鍼・手掌への配置図

上の図を見ると、中指に「脾腫穴」というのと「心常穴」というのがあります。
脾腫穴の主治は、「脾腫大、脾炎、脾硬化」となっています。
脾腫大:脾臓が腫れて大きくなった状態
脾炎: 脾臓の炎症
脾硬化:脾臓の硬化
※ 脾炎も脾硬化も燎原の『漢方用語大辞典』にはありません

心常穴の主治は、「心悸、心臓病、心臓性の風濕病」となっています。
心悸:動悸
心臓病:心臓病
心臓性の風濕病:心臓性のリウマチと考えてください

つまり、中指を脾臓と心臓の治療に用いていることが分かります。
さらに、中指の甲の「遠位指節間関節」には、「木火穴」というのがあり、主治に半身不随に寄効(奇抜な効果)があったと書かれています。
半身不随は殆どが脳溢血の後遺症ですので、「脳の治療に効果があった」と解釈してもいいと思います。

私は中指では経験がないのですが、小指の近位指節間関節まで巨鍼を通すと、縮んでいた指がピュッと伸びるのを何度も経験しています。
と言うことは、中指の遠位指節間関節でも同じような事が起ることが想像できます。
ただ、ヌカ喜びさせてはいけないので、正直に言うと、効果のない事もありました。

さらに、少し複雑になってしまいますが、七星論では遠位指節間関節は「土=脾・胃」と診ますし、エネルギーは指先からも放出されると考えますので、指先に何本かの鍼を刺すことは、指先からの寫法になり、エネルギー放出の速度を速めると考えるともできます。
つまり、溜まった気を強力に放出させる作用があると思うわけで、慢性疲労症候群は、指先と脳にエネルギーの滞留があるのではないかと考えるわけです。

そこで、慢性疲労症候群の治療で何故指先への鍼を使うかと言うと、
① 高麗手指鍼では頭部そのものであると考えている
② 董氏の鍼では脾経・心経・脳神経に刺激を与えている
③ 七星論で考えると、手指鍼も董氏の鍼も寫法が有効な治療法と考える
と考えることができ、脳と脳神経、心臓、脾臓に溜まったエネルギーを放出させて治療をしている事になると思います。

ただここで気になるのは、私が治療したある慢性疲労症候群の患者さんは、肺に関係する頭皮鍼を使ったら改善が見られたので、これをどう考えるかです。
まー、心臓がおかしくなると、心臓を包んでいる肺もおかしくなるし、肺がおかしくなると、肺に包まれた心臓もおかしくなるので、「どちらが先だ!」ということになってしまいますが、これは今後の課題にしたいと思います。



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