耳が遠い(聞こえ辛い): 難聴の鍼

難聴に使う董氏の鍼の応用
2日前の(10月11日の)ブログで、『耳鳴り、難聴と肝・腎の関係:研修で学んだことと董氏の鍼』というのを書きましたが、きょう来られた難聴の方に、先日の研修で学んだ方法を使ってみました。
ブースに入って、私が話しかけると、「えっ? 何ですか?」という顔をして、笑うだけなんです。
そこで、「これは難聴の治療からしないと、話ができないな」と思い、
「かなり聞こえが悪いようですねー。先に耳の治療からしますね」と言うと、それも聞こえてなかったようで、
「ん? 何ですか?」と言うので、もっと声を大きくして、
「耳の治療からしますね。ちょっと痛いですが、多分聞こえが良くなると思いますよ」と言ったら、今度は半分ぐらい聞こえたようで、
「耳ですか? はい」とまた笑うので、そのまま治療にかかることにした。
使うツボは、上の写真にある董氏の「花骨一穴」というツボからの応用です。
董氏の鍼では足裏から鍼を刺すのですが、私は足の甲から刺鍼しました。
理由は、先日のブログにも書いたのですが、董氏の鍼は足裏からかなりの深さで、足の甲まで届いても不思議ではない刺し方だったので、足の甲から刺しても効果がある、という自信があったからです。
そして、もう一つの大きな理由は、昔「足裏鍼」というのもやったことがあるのでわかるのですが、足裏への鍼は痛いので、あまりやりたくなかったのです。
そして先日の病院での研修でも、何人も足裏に鍼をするのを見たのですが、やはり、かなり痛そうだったのです。
ですから写真にあるように、足の甲から刺鍼したわけです。
そして、その「花骨一穴」というツボと、耳の周囲へ鍼をしたのですが、驚きました。
一応の治療が済んで、ブースに入っていくと、その方は、起き上がって、耳のソバで軽く手を叩いているのです。
何をしているのだろうと思ったのですが、少し小さな声で話しかけてみましたら、ちゃんと回答してくれるのです。
「あ、良くなってる」とすぐに分かりましたが、ご本人が、
「聞こえます。良くなった感じがします。今、こうして手を叩いてみたのですが、今までだと聞こえなかったのに、聞こえるのです」と言い。喜びの微笑を浮かべてくれました。
そして、さらに、
「良くなったようです。ほんとにありがとうございました」と言うのです。
そして、ご主人のいる待合に来たのですが、ご主人も多分その会話を聞いていたと思うのですが、多分、多分ですよ、多分、奥さんの耳のテストも兼ねていたと思います。
小さな声で「時計の何とか」と話しかけるのです。
すると奥さんは普通に返事をするので、私が、
「ほんとに良くなったようですねー。今の御主人の声は普段より小さかったですよ」と言うと、ご主人は、「そうだ」という顔をしながら頷いていました。
そして再び奥さんが私に向かって、
「いや、ほんとにありがうございました。ほんとにありがとうございました」と、命の恩人にお礼を言うように何度もお礼を言っていました。
私自身、そんなに効くとは思ってなかったし、内心「これまでの難聴の治療と、そんなに変わらないだろう」と考えていたこともあり、私のほうがビックリしました。
私は考え直さなければなりません。
後は、どれぐらい戻るか、何回ぐらいで「ほぼ完治」するかです。
それには、次回この方が来られるまで分かりませんので、待つしかありません。
しかし、病院の研修中に患者さんから聞いた話のようだと、かなりいい結果が期待できそうです。
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