FC2ブログ
2018/11/11

お腹が1か月ぐらい痛い! 難しい腹痛の治し方 (11/25の臨床実践塾)

この「診断即治療」は、 gooブログ にも掲載しております。



あっちもこっちも痛いんです



先日、腹痛を訴える方が来られました。
問診はスタッフがしてくれるのですが、問診表を見ると以下のように書かれていました。

・1か月前からじわーッとお腹全体が痛くなる。
・便は少し出にくいかなという感じ。
・内視鏡検査も受けたが、特に異常はなかった。
・正露丸を飲んでいる。
・首、肩、背中のこわばりもある

んで、
「お腹のどこが痛いの?」と聞くと、

「どこと言うことはなく、あっちこっち痛いです」と言う。

「あ、こんな症状の人は久しぶりなので、ブログのネタに使う写真を撮らせてくれない? お腹の部分だけでいいですから……」と言うと、

「どうしたらいいですか?」というので、

「お腹の上に手を置いてもらえば、それでいいですよ」と写真を撮らせてもらった。

そして、脈診から始めたのですが、予想通り「脾虚」が出ていました。
何が予想通りかと言うと、この症状を「湿邪」と考えたからで、湿邪は脾経が絡んでいるからです。
つまり、脾臓(膵臓含む)に機能低下が起こると、腹部全体で代謝機能が低下して痛みが生じると考えられていて、それを「脾虚」と呼んでいるのです。

この場合、脾経と表裏関係にある胃経を使っても治療ができます。
つまり、脾経と胃経は「表裏なので一体」と考えることもできるわけです。
①「脾虚すれば胃実する」
②「脾虚すれば胃も虚する」という考え方があります

そこで、この方のお腹の痛みを治めるために、ある治療法を施してから、陰査穴と足三里に刺鍼して、しばらくしてから「梁丘」(胃経の郄穴)に刺鍼しました。
梁丘は、胃経ですが、七星論で観ますと、「胃経の土」になるのです。
つまり、七星論では、「胃経上で土の高さ」になるので、胃経と脾経を同時に治療できるというわけです。

足の三里に刺鍼してから少し時間を置いたのは、全経絡が整うのを待ったわけです。
理由は、20年ほど前になるのですが、「胃が痛い」という患者さんに、梁丘を使って治療しようとして、梁丘に刺鍼しましたら、痛みがひどくなったことがあったからです。
梁丘は「郄穴」ですので、刺激が強かったのだと思います。

そして、
「鍼をしている間に痛みが出るかも知れませんので、その時は呼んでくださいね」と声をかけておいたのですが、途中で、

「どう? お腹痛くならない?」と聞くと、

「だんだん気持ちよくなってきました」と言い、鍼を全て抜いた時点では、

「9割ぐらい治った感じがします」と言ってくれました。

実はこの方、腸の大手術をしたことがある方で、「病院での検査は問題なかった」と言うのを聞いてはいましたが、慎重に治療をしていたのです。
そして、問題なく治療を済ませることができました。
しかし、家での養生法として「サンゴ草」と言うのを飲んでもらうことにしました。
サンゴ草は、消化吸収を助け、肝機能を整えてくれるからです。
(当院で健康食品を勧めるのは年に1人もいません)

肝機能を整えるのは、七星論で「木:肝⇒土:脾」とエネルギーが流れると考えていますので、脾虚の治療に使えるからです。
当院でも、長年サンゴ草を扱っていますが、その人の体調に合わせてですが、「必要に応じて磁気処理」をして飲んでもらうようにしています。


(ここから少し難しくなりますがご了承ください)

経絡治療では、何かの「経」が虚すれば、五行論や東洋医学の治療方針の関係から五行では「虚すればその母を補う」となっています。
つまり、五行論では、木→火→土→金→水とエネルギーは流れると考えられていて、脾は「土」に置き換えられるので、土の母が「火」になるわけです。

ですから、この理論でいきますと、「脾虚」なら、「要穴表」で示される、「脾経の大都穴」や、心経の少府穴を使うことになるわけです。
ところが、私は何年も胸のポケットに「要穴表」を忍ばせて、この五行論による治療をしていたのですが、あまり上手くいきませんでした。

「何故だろう?」と何年も考え続けたのですが、行き着いたところが「五行論での相生理論への疑問」だったのです。
「相生」(そうせい)とは、エネルギーの正常なサイクル(循環)のことですが、筋力テストでテストをしてみると、理論通りにはならないことがわかったのです。
つまり、「火」(心経)を補しても、「土」(脾経)のエネルギーは上がらなかったのです。

では、どうすればいいのだ、と考え続けた結果、「人体惑星試論」(七星論)が生まれてきたのですが、まとめるのには15年ぐらいかかりました。
2018/11/11

ホームページを更新しました (11/25の臨床実践塾)

この「診断即治療」は、 gooブログ にも掲載しております。



臨床実践塾風景



 11月25日(日)の臨床実践塾ご案内  をホームページにアップしました。

第一部 ≪ドライヘッドスパ・実技中心のセミナー≫ 2時間半

第二部 ≪めまいの治療法といくつかの症状の関連性≫

第三部 ≪親睦会≫
2018/11/10

ドライヘッドスパ(実技中心になります):11月25日の臨床実践塾  

この「診断即治療」は、 gooブログ にも転載しています。



ヘッドスパセラピー



11月25日の臨床実践塾 第一部は鍼灸学校教員であり、公益社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)認定のアロマインストラクター・アロマセラピストでもある先生が「ドライヘッドスパ」のお話と実技を行います。
先生から送られてきた内容は以下になります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ドライヘッドスパ
ストレス緩和ケアとして、プラスαの美容メニューとして好評なドライヘッドスパの講習をいつもより時間を拡大して行います。

初めての経験となると施術する側もされる側も「美容」と言われると少し違うかな、と二の足を踏んでしまいます。

では「ストレスケア」では如何ですか?
身近にストレスでお辛い思いをなさっている方はいらっしゃいませんか?

散髪に行った時の他人にしてもらうシャンプーは、自分で普段やるシャンプーとは全然違う心地良さがありますよね。

今回、シャンプー設備がなくとも出来る拭き取り可能なジェルを用いた頭部への施術講座を行います。
頭部を丁寧に触る事で実践塾でも取り上げた頭皮鍼を行うのに必要な反応点を探査する訓練にもなります。

ごっつい手をしてらっしゃる男性の先生、その大きな手と分厚い指がとても気持ちのいい安心感のある施術に繋がります。
ぜひご参加ください。

相モデルでの練習で組み合わせを変えて行い、参加者が技術を習得できる実技中心の講座内容となります。
極力整髪料はつけていない状態でお越し下さい。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

≪ドライヘッドスパセミナーのご案内≫

【日  時】 2018年11月25日(日)13:00~15:30(2時間半)

【会 場】 たかつガーデン(大阪府教育会館) 大阪上本町近鉄百貨店近く

【参加費】 7.000円 

【講 師】 鍼灸学校専任教師・公益社団法人日本アロマ環境協会(AEAJ)認定のアロマインストラクター・アロマセラピスト

【お申込】 新城鍼灸治療院 06-6765-7622(木、金、土の10:00~19:00)
2018/11/10

連載4:めまいと脊柱 (11/25の臨床実践塾)

この「診断即治療」は、 gooブログ にも掲載しております。

めまい(連載)  (連載1)   (連載2)   (連載3)    (連載4)



わかりやすいようにマーカーで示してみました


※ このブログで公開する写真は、ご本人の許可を得て掲載しています。


先週来られた「めまいの患者さん」が、今週も来られました。
今週が2回目の治療です。
先週が初診だったのですが、その時はこのように話していました。

① めまいと嘔吐がある

② 下を向くとグルッと回る感じで下に落ちていくような症状です

③ CTとMRIでは異常なしでした

④ H18年に突発性難聴と耳鳴り

⑤ 同年5~9月めまいと嘔吐

⑥ H20年8月以降いったん症状がなくなった

⑦ 今年の6月、朝に寝がえりをしたときめまいと嘔吐

⑧ 10月末にも同じ症状が出た

⑨ H15年、義母の介護のため同居を始めた

⑩ 今年、母が入院して8/30~10/15毎日病院に通っていた

⑪ 今まで鍼灸治療を受けたことはない


この内容からすると、H18年からめまいの不安を持ちながら暮らしてきたことがわかり、精神的にも肉体的にも大変だったことがわかります。

めまいは何人も治療してきたのですが、個人的には難しい治療とは思っていません。
治療方法は拙著『人体惑星試論奥義書』にも書いたのですが、上部胸椎を整えるのと、関連している臓腑を整えれば、それで治るからです。
ですからめまいで来院しても、2回か3回で終わる人が多いのです。

この方も、2回目の治療が済んでから、頭を前に倒してもらったら大丈夫のようでしたので、多分あと1回ぐらいではないかと考えています。
そして、ご本人も治療が済んでから、「1週間飛んでもいいですか?」と聞いていましたので、「大丈夫だと思いますよ」と答えておきました。

ただ、この方の場合は、過去に大きな手術をしていますので、「めまいではなく」ちょっと気になることがありました。
七星論を勉強された人はわかると思いますが、上部胸椎が写真のようにズレているからです。

つまり、臓腑のヒズミが大きいと考えるわけです。
何度も言いますが、脊椎の歪みでめまいを起していると考えるのですが、その前に臓腑のヒズミがあるからです。
でも、それは病院の検査には出てきませんので、病院では臓腑のことは何も言われません。

そして、この方の場合は、これまで診てきた「めまいの患者さん」とは、ちょっと違うところがあったのです。
ですから、多分5回ぐらい治療しなければ「完治」とは言えないかも知れません。
余計なことを言うと、「不安を煽る」ことになりますので、ここでは言いませんが、ご本人にはちゃんと説明してあります。

※ 11月25日の臨床実践塾では解説します。
2018/11/09

「脊柱鍼」の治療範囲がかなり広がりそうです! (11/25の臨床実践塾)

この「診断即治療」は、 Gooブログ にも掲載しております。



CM関節 



治療日には毎日「脊柱鍼」を使っていますが、どんどん進化していきます。
たとえば、昨日来られた方で、いろいろ症状はあったのですが、とりあえず「脊柱鍼」に関係のある筋骨系だけに絞って説明します。

その方の話によると、
「膝裏の痛み、足むくみ、腰の張りと腰を反ったときに臀部から腰に掛けて縦に痛みが走る。療法の親指の根本が変形していて動かすと痛い」
と言うことでしたので、先に脊柱鍼をしました。

すると、膝も腰も親指も軽くなったのです。

どういうことですか?

何故「脊柱鍼」から下かと言うと、この方が訴えてきたのは、全て「腎」に関係があったからです。
七星論を勉強した方ならわかると思いますが、全て七星論での「水」とも関係があるのです。
① 腰(腎臓の裏)
② 膝の関節(七星論で水→金)
③ 親指GM関節(七星論で水)

脊柱鍼は脊柱を整えて、脊柱につながる筋骨と神経系を整えようという考えから発達させていったのですが、そのとき「腎の強化」を考えていたのです。
つまり、脊柱や脊柱につながる関節と筋骨も整えられるのではないかと考えながら、ついでに前々から考えていた「腎の強化方法」を組み入れてみたのです。

最初に脊柱と筋骨系から説明しますと、
たとえば膝関節なら、脊柱⇒仙腸関節⇒股関節⇒大腿骨⇒膝関節という流れになっていますので、脊柱が歪むと、膝関節まで異変が出てしまうわけです。
また、親指にしても、脊柱⇒肩関節⇒上腕骨⇒肘関節⇒橈骨・尺骨⇒手関節⇒手根骨⇒親指の関節という流れになっていますので、脊柱に異変があると親指にも異変が出てくるというわけです。

次に、腎の強化についてですが、これは「腎を活性化させる」ということを考えながら方法を考えていきました。
つまり、腎経を活性化するような刺激を与えようと考えたのです。

それで、その方は、実際にどうだったかと言うと、腰は脊柱鍼の得意とする治療法なので、当然のように腰は楽になりました。
膝は、楽にはなったけど「もうちょっと」という感じでしたので、膝関節を手技で捕捉治療しました。(2~3分)

親指のほうは、「軽くなった」と言ってくれたのですが、軟骨がすり減っているようでしたので、そのように話したら、病院でも同じようなことを言われていたようです。
なので、軟骨を増やす目的で、鳥の軟骨を炊き詰めて、その汁を料理に使う方法を話しました。

すると、「市販のコラーゲンでもいいですか?」と質問が出ました。
「市販のコラーゲン」という具体的な商品は知らなかったので、

「そんなのあるんですか?」と聞くと、

「売ってます」と言う。

「ふ~ん! そんなのがあるんや」と言いながら、頭の中では、「調べてみよう」と考えていました。(^o^)
それで早速検索してみると、なんと、前に私が「疲労の研究」で試していた「ふぐのコラーゲン」が出てきました。

この方の親指のCM関節は、「関節のすり減り」があるので、ちょっと時間はかかると思いますが、コラーゲンを補いながら、脊柱鍼をしていると、だいぶ改善されるのではないかと思います。

意外なところで、コラーゲンが出てきましたが、コラーゲンと言えば肌に関係してきます。
しかし、私の経験では肌は血液循環に大きな問題があるので、むしろ当院が作った  炭酸泉  のほうがいいのではないかと考えています。
ちなみに、この方も炭酸泉を持っていますが、たまにしか使ってないようでしたので、口うるさく「炭酸泉を使ったほうがいいよ」と言っておきました。(^o^)
2018/11/08

鼠径部と膝の痛み 脊柱鍼は素晴らしい (11月25日の臨床実践塾)

この「診断即治療」は、 gooブログ にも掲載しております。



歩くとここが痛いのです



「右の鼠径部が歩くと痛いです」という方が来られました。

「他に痛みはないですか?」と聞くと、

「右膝の内側も少し痛いです」と言います。

「そこをちょっと触っていただけませんか」とお願いすると、上の写真のように触って見せてくれました。
そこで脊柱鍼のための診察をしましたら、案の定脊柱鍼の対象であるサインが出ていました。

そこで、伏臥になってもらい脊柱鍼をしたのですが、筋骨系の治療をしている先生なら、
「背中? 大腿四頭筋じゃないの?」と考えるではないかと思います。

そうですね。
確かに大腿四頭筋を調整しても表面的には症状は治まります。
しかし、大腿四頭筋を調整しても、その場は治まるのですが、多くが「すぐに再発してしまう」のです。

この方は、脊柱鍼の後に鼠径部と膝の痛みを確認してもらったら、見事に痛みが取れました。
ただ、
「何故、そうなったのか」と言うと、臓腑との関係がありますので、臓腑の治療を加える必要があります。

臓腑のヒズミからくる歪みは、それなりに時間が経っていますので、
「何故、臓腑がそうなったのか」というとこまで考えなくてはならないと思います。
つまり、
「臓腑にヒズミを発生させる原因となるのは何か?」を考える必要があるのです。

11月25日の臨床実践塾では、「めまい」や「筋骨系の異変」が起こる原因を追究して、その解決法までを解説をしていきます。
2018/11/07

連載3:めまいで来院する患者さんの鍼灸診察と治療について (11月25日の臨床実践塾)

この「診断即治療」は、 gooブログ にも掲載しております。

めまい(連載)  (連載1)   (連載2)   (連載3)    (連載4)



めまいの鍼灸治療にもいろいろあります



めまいで来院された患者さんに対して、当院では問診の後に行う検査があります。
それは、「めまい」と言っても、原因によって治療法が異なるからです。
その検査は治療のために必要なことでもありますが、患者さんにとって非常に大切なことだからです。

たとえば、めまいを分類しますと、現代医学では以下のように分類していて、めまいで専門病院へ行くと、下記のどれかに当てはまるというわけです。

① 良性発作性頭位めまい
特定の頭の位置をとったときや頭の位置を変えたことで現れるので、寝返りを打ったときや起床時、洗顔で下を向いたとき、洗濯物を干すときなどにめまいが起こる

② 前庭神経炎
風邪を引いてから1~2週間した後に発症する激しいめまいですが、2~3週間も経てばよくなる

③ メニエール病
突然発症し、短くても20分以上、長いものでは数時間もえまいが続くものまであり、横になっても回転しているかのようなめまいが続くため、吐き気や嘔吐が起こる人もいる

④ 突発性難聴
朝目が覚めると発症しているような「突然発症する難聴」で、不随する形でめまいなどが起る

⑤ 脳血管障害
脳血管障害は、動脈硬化が根底にあって発症することが多いのですが、それに伴い頭痛、めまい、ふらつき、吐き気などの症状が起こることがある
当院で、「腰が痛くて、ふらふらする」と訴えて来た方がいましたので、病院での検査を勧めたら、脳出血が見つかりました

⑥ 脳腫瘍
腫瘍が大きくなり内部の圧力が高くなることが原因となり、頭痛、吐き気や嘔吐、視力が低下して物がぼやけて見えたりするなどの目の症状があげられます。
腫瘍のある場所によって耳鳴りや難聴が出てきます
小学2~3年生の子が脳腫瘍で来たことがありますが、座ることもできませんでした。。

以下の※印は「めまい」に分類するかどうかは医療機関によって違うようです。

⑦ ※ 起立性低血圧症
起立性低血圧とは、急に立ち上がったときや長時間立ち続けていると、立ちくらみ・めまいなどを起こす状態のこと

⑧ ※ 高血圧
血圧が高くなった場合、めまいや頭痛や視力低下、吐き気などの症状を伴うことがある

⑨ ※ 貧血
貧血の一般的症状として起こるめまいや頭痛で、脳の酸素不足が原因です

⑩ ※ 更年期障害
更年期障害で起こる症状の一種で、のぼせ、ほてり、めまい、頭痛、全身倦怠感の症状があります


これらが現代医学で「めまいの原因」としていることですが 臨床的に見ると、「非常に大事なこと」が抜けていると思います。
だから、「めまいは病院では治らない」と言われるのではないかと考えています。

その「非常に大事なこと」を知れば、めまいは意外に治しやすいのです。
ここは不特定多数が閲覧できるブログですので、ここに書くことはできませんが、今度の臨床実践塾では、実例を示しながら「診断&治療」の方法を解説していきます。
2018/11/06

連載2:良性発作性頭位めまい症と「エプリー法」について (11月25日の臨床実践塾)

この「診断即治療」は、 gooブログ にも掲載しております。

めまい(連載)  (連載1)   (連載2)   (連載3)    (連載4)



脊椎の「歪みのモデル」をイラストで描いてみました
左側=正常   中央=捻れ   右側=ズレ(左右への変位)



最近、めまいの患者さんが二人来られました。
その中のお一人から、興味のある情報を頂きました。
それは、「エプリー法」というめまいの治め方です。

この方は、5月に最初のめまいが起こって倒れ、救急搬送されたそうですが、MRI検査をしても異常がなかったそうです。
そして7月に再び嘔吐、下痢、めまいを起こし、その2日後にも同じような症状が出たそうです。
その後に当院に来られました。

この方は、3回の治療で殆ど治ったのですが、念のために、もう一回来てもらいました。
初診の時に、この方のめまいへの対処法を教えてありましたが、ご本人も「研究熱心な方」でしたので、「エプリー法」というのを実践していたようです。
そのおおかげだと思いますが、その間にも2回ほどめまいは起ったようですが、軽くで済んだそうです。

ここで注目するのは、「エプリー法」というものです。
それは何かと言いますと、「良性発作性めまい症」(BPPVと言います)に使える対処法です。
良性発作性めまい症というのは、「特定の頭位で1分未満の短時間に起こる回転性めまいが起こり、悪心や眼振が起こる」のを特徴としています。
その原因として考えられているのが、「平衡砂(耳の中にできた砂)の結晶の変位によって起こる」というものです。

治療としては、
・症状を減衰させる誘発操作
・浮遊耳石置換法
がメインのようで、「薬物療法は推奨されない」そうです。

その中の、浮遊耳石置換法に「エプリー法」というのがあるのですが、これは「頭を特定の位置に動かし、位置がずれた耳石を卵形嚢に戻す」というもので、実際のやり方は、 こちらのサイト にありますので、参考にされてください。

ただ、このサイトにも書かれていますが、「この方法が万能ではない」とされています。
【この治療法が万能というわけではありません。あくまで、後半規管にできた浮遊耳石に対して有効な例があるということに過ぎません。
マスコミを含め、この方法がめまい疾患全般に対して有効であるかのような誤解を招きかねない扱いをしていることに危惧を覚えます。】

それでは、どうすればいいのかと言うことになりますが、私は上部胸椎から頚椎の歪みと、そこに影響を与えた臓腑を考えるようにしています。

ちょっと説明しますと、たとえば、めまいを起している患者さんの上部胸椎を診ますと、脊椎のズレや捻れのある場合があります。
この場合、捻じれではめまいは起らないようですが、ズレ(スライドするような変位)が出るとめまいが起こっているようです。(上のイラストの右側)
※ 実際のズレはごく僅かで、捻じれも伴っています

つまり、脊髄神経が圧迫されるような状態になるとめまいは起っていると考えることができます。
ですから、そのズレ(変位)を治せば、めまいは起らないと考えるわけで、その矯正をすることで、浮遊耳石が正常に戻ると考えるわけです。

「考えるわけです」というのは、検査機器のない鍼灸治療院ですので、断定することが言えないからです。
頼りないように思われるかも知れませんが、もう少しお読みください。

矯正と同時に、脊椎に歪みを与えている臓腑を整えることでめまいは治るのです。
これは、「入れ物」を直すことで、中身も整ってくるという考え方ですが、この考え方は「筋骨系の治療法」にもたくさん使われていますし、このエプリー法にもこの考え方を当てはめることができます。

たとえば、エプリー法では、首を捻じって耳石の動きを調整していますが、首を捻じるという動作は、筋膜リリースで考えると、「筋肉や筋膜」の「ヨジレ」を矯正していることになるからです。

つまり、ヨジレは取れてもズレがあるとめまいが残るわけです。
これは患者さんを仰臥にして、頚椎から上部胸椎の棘突起と横突起を触診すると、上のイラストのようになっていることがわかります。
2018/11/05

連載1:めまい、寝違い、背中の痛み、(七星鍼法の基礎) 

この「診断即治療」は、 gooブログ にも掲載しております。

めまい(連載)  (連載1)   (連載2)   (連載3)    (連載4)



多くのめまいは治しやすいものです



めまいも寝違いも背中の痛みも、治療院に来られる患者さんの定番的な疾患です。
めまいの原因にはいろいろありますが、七星論の 「経筋腱収縮牽引の原理」 を使うと、筋骨系・臓腑系の原因分析ができます。

たとえば、めまいの原因で多く知られるのが「メニエール」だと思います。
当院にも、「病院でメニエールと言われました」という方が何人も来ましたが、今まで「この患者さんはほんとのメニエールだろう」と思えたのは、たった一人でした。
では、何故病院で「メニエール病」と言われたのでしょうか。

それは、メニエール病の診断に問題があるのではないか、と考えます。
ある日、突然回転性の激しいめまいが起こり、吐き気や嘔吐、冷や汗などが出て病院へ行くと(普通はめまいがひどくて動けないのでめまいが治まってから行く)、多くの病院では、「メニエール」と診断するようです。

ところが、ある医師は、
「多くの医師はめまいの診察が苦手で、めまいの診察知識がないことも多く、患者さんに不安を与えるだけになっている場合が多いのです」と言い、
さらに、「メニエールと自己診断して受信する人で、ほんとうのメニエールになっているのは1割程度です」と言っております。

そして、病院で受信する場合には、医師が「耳鳴りや耳が詰まった感じ、聞こえにくい等の症状を質問するかに注意してください」と解説しています。
つまり、「この質問をしない医師は専門家ではない」と暗に教えているわけです。

そして、メニエールに次いで耳に関連するのが「耳石」「耳炎」「中耳炎」「髄液の漏れ」などがあるのですが、怖いのは脳に関するめまいです。
「脳梗塞」「脳出血」「脳腫瘍」「脳への血流障害」で、脳に関するめまいは、命に関わることもあります。

また、めまいは血圧の変動(高血圧や低血圧)や、強い不安感、心配事等でも起こりますし、貧血などでもめまいが起こります。
そのために、専門病院ではいろいろな検査をしています。

さて、東洋医学系の治療院に来られる「めまい」は、「肩こり」「頚椎の歪み」「良性頭位変換性」などが多いと思われます。
しかし、患者さんは「メニエールと言われました」と言う人も少なくありません。

メニエールの原因は、三半規管と蝸牛を満たすリンパ液が増えすぎたことが関係していると考えられていますが、これは耳の構造上、難聴と併発したかどうかが問題とされています。
そして、専門医では「めまいを繰り返す」「耳閉感がある」「難聴がある」ということを特徴としているようですので、それらがない場合は「メニエールではない」と考えていいようです。

では、めまいの患者さんが来られたらどうするかですが、私は脈診や六臓診、脊椎診で臓腑の虚実や脊椎の歪みを診ます。
そして、肝臓に疲労(機能低下)があると上部胸椎は右に曲がり、心や心包に疲労(機能低下)があると、上部胸椎は左に曲がっています。

これは、持論の 「経筋腱収縮牽引の原理」 というものですが、この原理を使うことで、頚椎に歪みがあるかどうかもわかります。
そして、必要と思われたら「動診」というのを行います。
動診とは、 七星鍼法の基礎実技 にあるものですが、体を動かしてもらって、潜伏している歪みを診る検査方法です。

これらの検査方法で歪みが見つかれば、その歪みを矯正すればいいわけです。
矯正方法は手技療法でも鍼灸でも構わないのですが、「歪みがある場合」は、(私としては)必ずどこかの臓腑に異変が出ていると考えますので、その臓腑の異変まで整えるのが再発させないポイントと考えています。

つまり、「骨の歪みが取れたならそれでよし!」とするのは、あまり感心しません。
何故骨が歪んだか、どの臓腑からの影響なのか、どうすれば再発しないかを考えるのが治療だと思うからです。

それができれば、めまいだろうが寝違いだろうが背中の痛みだろうが、解決の糸口が見つかったことになりますので、後はその治療師が得意とする治療法で治療すればいいわけです。
2018/11/03

左肩の前面が痛いんですが、護身術は関係ないですよね? 

この「診断即治療」は、 gooブログ にも転載しています。



スタッフに、捻じられた状況を再現してもらいました



先日来られた方が、
「左肩の前が痛いんですが、護身術は関係ないですよね?」と言っておりました。

「護身術で捻じったなら関係ありますよ。どんな事をしたんですか?」

「会社で、護身術の講習があって、それに参加したんです。そしたら、手首を捕まえて、グッと捻じられたのですが、関係ないですよね?」と言う。

「再現してみてくれますか」と言うと、腕をひねり

「こんな感じで捻じられました。その時、肩のほうで何かグチってしたような感じはありましたが、関係ないですよね?」

「多分、関係あります」と言いながら、手首を軽く捻じった。

「イタタタ! 痛いですよ」

「でしょ?」

捻じられたのは手首ですが、その捻じれは肘関節から肩関節まで影響を与えたのです。
たとえば、「肩関節が痛い!」と訴えて来る人の多くが、肘関節や手関節がおかしくなっています。
これは、痛みは肩関節に出ていても、原因は肘関節や手関節にある、と考えていいわけです。

ですから、五十肩の治療に始まり、肩関節に痛みがあるときは、肘関節や手関節まで調整するのです。
肘関節や手関節と言っても、橈尺関節も含めますが、それらの関節に異常が出ていれば、それらの関節を調整すれば肩関節の痛みが治るか、軽減されるかするわけです。

というような説明をしながら、肘関節と手関節を調整して、

「はい。動かしてみて」と言うと、肩関節を回しながら、

「あ、痛みがなくなりました。だけど、まだちょっと引っかかる感じがします」と言うので、そのまま肩関節を調節しました。
そして再び、
「はい。動かしてみて」と言うと、腕をぐるんぐるん回して、

「なくなりました」と言っていました。

非常に簡単に書いていますが、この場合、肩関節から調整しようとすると、逆に手戻ってしまいます。
理由は、大元の治療より先に、症状のある部位から動かしたために、大元の原因が余計におかしくなるからです。

私は昔から、
「肩が凝っているという人の肩に鍼をするんじゃない!」と言います。
理由は、肩こりの原因を探して治療すれば、肩こりがなくなるからです。
つまり、原因を追究して、その原因を解消すればいいというわけです。

特に、肩こりなんてものは、原因が多いので、うっかり「肩をもむ」とか「肩に鍼をする」なんてことをすると、原因が探し難くなるので、「しっかり診察をするように!」と言うわけです。

この方の場合も、
「護身術は関係ないですよね?」と聞いてくれたので、わかりやすかったのですが、それを言わなかったら、その倍の治療時間が必要だったと思います。

そんなことから、
「治療は、やっぱり患者さんと術者の共同作業だな」なんて再認識しているところです。