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2017/10/30

のどの痛みや違和感への「鍼」と「灸」と「揉む」の比較


写真①:のどの異変へ千年灸
1壮でいいですが、2壮でも構いません



写真②:のどの異変へ鍼
鍼の打ち方を訓練して痛くないように刺します



咽喉が痛い、咽喉が粘る(エヘン虫)など、これからの季節に多く出て来る症状です。
当院でも、既に何人かの方が咽喉の異常を訴えて来ました。
治療は、早く、確実に治すことを考えるのですが、「お灸は熱い」(写真①)「鍼は痛い」(写真②)という欠点があります。
そこで、鍼と灸の欠点を補う方法はないものかと考えてみました。

そして、鍼と灸の治療効果の違いをテストしてみました。
結果は、鍼のほうが早いことがわかりましたが、問題は「鍼は痛い」という欠点を如何になくしていくかです。
鍼は打ち方によって痛みを軽減する方法があり、訓練によって指先への鍼でも、そんなに痛くなく鍼を刺すことができるようになります。

そしてお灸の「熱い」という欠点をカバーする方法ですが、この件に関しては、近年流行りの「間接灸」で、いろいろな種類がありますので、今回は「千年灸」を使いました。
「温灸」とも言いますが、皮膚に直接する方法と比べると、「暖かい」という感じがするので、初めての方には、この方法がいいと思います。
ただし、病気や症状によって、温灸では効かない場合もあります。

そして、もう一つの方法としては「揉む」という方法がありますが、こちらはかなり時間がかかるし治療効果の比較をするには時間がかかり過ぎますので、今回の比較には入れてありません。
当院で咽喉を鍼灸で治療する場合は、その場で治まりますので、鍼灸だけの治療で終わるのですが、当院の患者さんからの電話問い合わせなら、家庭療法として、「揉む方法」を教えています。

鍼灸を施す部位は、上の写真にあるところに鍼灸をします。
その後に、咽喉の異変の原因となっている臓腑を整えます。
咽喉がおかしくても、咽喉だけの問題ではないからです。
「のど薬」を飲んでもなかなか治らない理由がそこにあるわけです。

たとえば、一番多いと思われるのが、心包の異変です。
心包とは、心臓を包む筋肉と考えて下さい。
則ち「心筋」と考えて頂いて構いません。
その心筋に(心包に)何らかの異変が起こると、心筋と密着している肺にも異変が起こります。
ですから、心筋も整えておくわけです。
整え方は、それぞれの治療師で違うと思いますので、それはそれぞれの治療法を用いたらいいと思います。

心包に影響を与える臓腑として、「腎」が挙げられます。
腎臓は血液を浄化する臓器ですが、腎臓が疲れますと(実したり虚したりすると)、血液の浄化ができなくなり、「瘀血」(汚れた血液)となって全身を巡ります。

その汚れた血液が心筋に流れて来ますと、心臓は(心筋は)過剰な労働をさせられることになり、心筋にも疲労が出てきます。
あえぐ、息苦しい、胸が重い、痛い、などです。
ですから、腎の疲れもあると思われた場合は、腎の治療も加えておきます。

次に、肝の疲れから心包(心筋)の疲れが出るのも多いものです。
それは、「肝は筋膜を主る」と言い、「肝臓が筋肉や膜を支えている」と考えて下さい。
たとえば、こむら返りがそうですが、肝臓が疲れるとこむら返りが起ります。
たまに、薬を常用している人に見られるのですが、「こむら返りで目が覚める」と訴える方もいます。

肝臓からの心筋疲労は、脊椎診をすればすぐわかりますので、脊椎診で「肝と心包」の疲労が診られたら、肝の治療も行います。
そして、腎や肝の治療を先にするか、腎・肝と心包の治療を同時にするかです。
注意点として、「咽喉の治療だけ」で終わると、すぐに再発しますので、それは忘れないようにします。



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2017/10/29

鼠蹊部から股関節にかけて吊る(足を後に伸ばした時にビッと突っ張る) 


写真① 頭皮鍼で、鼻、鼠蹊部、眠れない、右目の目頭の治療



この方が前回来院したのは6月30日で、約4ヶ月ぶりになります。
問診表を見ると以下のように書かれていました。

① 右鼠蹊部から股関節にかけて吊る(足を後に伸ばした時にビッと突っ張る)

② 便秘気味で出てもすっきりしないのが2~3週間続いている。

③ 右の鼻を押さえると痛い。(中におできができているのかなと思う。鼻水が出て止まらない。くしゃみが出る)

④ 夜2時半ぐらいに起きてしまって眠れない。

⑤ エヘン虫が続いている。(台風の後、寒くなってから咽喉がつかえる)

⑥ 2~3日前から下腿前面が痒い。(右と左移動して交互に痒くなる。胡座が痛い)

⑦ 右目の目頭が痒くなり、赤くなったりする。

⑧ きょう、ここに来る前に胸が苦しくなり、前胸部が突っ張っているような感じで、今もなんだか突っ張って、きゅっとしている。

⑨ しんどい。

この問診表を見て、鼠蹊部から股関節の問題は、「大腸がおかしくなって骨盤が歪んだな」と考えたのですが、確認をしたほうがいいので、右腸骨の内側を押してみました。
すると痛がるので、
「ちょっと写真撮らせてくれない? ブログのネタに使うんだけど?」と聞いてみたら、「OK」と言うので、自分の手で突っ張るところを押さえてもらって撮影しました。


写真② 鼠蹊部から股関節が突っ張る


それから、
「歩くときにって、どんな格好をした時ですか、ちょっとベッドから降りてその格好をしてくれませんか?」と突っ張るときの格好をしてもらい写真を撮らせてもらった。


写真③ この格好でビッと突っ張る


そして、左の腸骨が前屈していたので、手技で調整したのですが、軽くはなるもののまだ残っています。
そこで、頭皮鍼を使うことにして、写真①のように、頭皮鍼で鼻、鼠蹊部、眠れない、右目の目頭の関係に鍼をしました。
すると、
「先生。ここが突っ張るんですよ」と鼠蹊部を手で触りながら言っていました。

私は、「わかってますよ」と言ってから、
「ちょっとベッドから降りて先ほどのように足を後に引いてみて」と言うと、ベッドから降りて、先ほどの格好をしていました。
同じポーズを2~3回してから、
「おかしいですねー。突っ張るのはここなのに、頭に鍼をしたら治りましたねー」と言っていました。

写真ではわかりにくのですが、眉間にも鍼をしてあります。
これは鼻の問題と右目頭を整える目的です。
そして顖前、百防、肝と腎の反射区にも鍼をしてあるのは、「眠れない」「便秘気味」「胸が苦しい」などを治めるためです。
それから、「エヘン虫」の問題で、手指鍼もしました。



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2017/10/29

パソコンを打つと人差指が痛い! (頭皮鍼法の研究) 


写真① 赤い線を引いたところが痛い



写真② このように指を反らしても痛い




写真③ 頭に鍼を1本しました



この方が最初に来られたのは、今年の7月6日で、主訴は
「2月から左示指の痛みが始まり、左母指も痛くなってきて、サポータでごまかしていたのですが、かばっていた右手の示指も痛みが出てきました」ということでした。
そして、「腱鞘炎が治らないので仕事を辞めようかと思うのですが、どう思いますか」と相談も受けました。

勿論、腱鞘炎ぐらいで仕事を辞める事はないので、「大丈夫です。仕事は続けてください」と辞めないように話したのですが、その時は、既に「休職」の申請をしてあったようで、2~3週間は休んだはずです。

それから7/22、8/10、8/19、8/31、9/30と、来られたのですが、9/30には、
「左手の腱鞘炎はほとんど良くなった」と話していました。
鍼が得意ではないようでしたので、主に手技療法と経絡治療で治療しました。

そして、先日10/28に来られた時に、
「仕事で手指を使いすぎると両方の示指が痛くなる。示指を反らすと痛い。肩凝りがひどい」と話していました。(写真①)

確認の為に、
「どのようにしたら痛みが出るんですか」と聞いたら、
「このようにして指を反らしても痛いです」と言う。(写真②)
ニコニコ笑いながら話すので、「ほんまに痛いんかな」と思いながら、「ああ、なるほどね」と言い、治療にかかりました。

ここからが面白い。

「額に鍼を1本させてくれない?」と言うと、「ええ」と言うので、額に鍼を1本しました。(写真③)
そして、
「はい。先ほどみたいに指を反らせてみて!」と言うと、指を反らせて、

「アッチャー!」と、猫がマメ鉄砲を喰らったような顔をするのです。

「どう? 痛みは?」と聞くと、

「えっ? 何が?」という顔をしています。

「いやいや、痛みはどうですか?」と聞くと、

「え、えっ?」

「いやいや、指の痛みはどうですか?」

「痛くないです。だって今さき……」(鍼をしたばかりじゃないですかと言いたかった)

あまりに瞬間的に痛みが取れたので、魔法でもかけられたと思ったのでしょう。
何を話していいのかも分からなくなっているようでした。(^_^;)

この方も笑うとかわいい顔をするので、思わずこちらも笑ってしまったのですが、笑いながら再度聞きました。
「痛みは?」

「ないです。ほんとにないです」

さて、この頭の鍼ですが、これは七星論の頭七配置で「木」の角度になります。
つまり、「木=肝・胆」の治療に使えるわけです。
この方の腱鞘炎治療に、4、5回も要したのは、実は肝臓と関係していたので、頭七でも肝を狙ったわけです。

この方、グルメなんです。
高栄養が肝臓に蓄積されていたのです。

ですから、余分な栄養分を抜くために、副食をできるだけ食べないようにさせたのです。
それが結構辛かったようで、一生懸命「ご馳走を食べない努力」をしていたようです。

頭の鍼で痛みが取れたので、経絡治療で臓腑を整えて治療を終了しました。



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2017/10/28

空咳が止まらない。内科や耳鼻科へ行っても変わらず。頭蓋JAAの「臓点」がポイント 


手指鍼での咽喉の反射区への刺鍼



顖前・百防と「臓点」への刺鍼



問診で以下のようなことを話していたようです。
「8月頃にあった空咳がまた出てきた。病院にも行ってみたが特に問題はなく、薬をもらったが治らなかった。耳鼻科にも行ったが変わらず。時々左胸に押されるような痛みがある」

問診したのをそのまま転載したのですが、この問診内容を読んで、即座に「心か心包が原因だろう」と考えることのできた方は、診断と治療に慣れている方だと思います。
これからの季節に増えて来る症状ですが、そういう症状は、生活や仕事にに支障が出るので、早く治めてあげなければならないと思います。。
が、診断を間違うとなかなか治せないものです。

それぞれの治療師が、得意の診断法を持っていると思いますので、どの診断法でもいいのですが、この方の場合は「心か心包」が原因と考えたほうが「即効的に治すポイント」になると思います。

というのは、咳は、「呼吸器系」と考えがちですが、それは現代医学の考え方だと思います。
例えば肝臓が腫れた場合だと、肝臓が横隔膜を押し上げて肺を圧迫し、肺が元に戻ろうとして咳が出る場合もありますし、心臓が一時的に肥大したために、心臓が肺を圧迫して咳が出る場合もあるからです。
その他にも、気管支の問題や、脊椎の歪みが原因の場合もありますが、この方の場合は、心か心包に絞って考えたほうがいいようです。

脈診をした後、確認のために左脇下を押すと痛みがありました。
押す前からわかっていたのですが、本人に認識してもらうのが目的です。
左脇下だけを押すと認識が甘くなりますので、右脇下も押して左右を比較させて、右脇下は痛くないことを確認させます。

そこまで確認してもらってから治療に入るのですが、左脇下の痛みは「指標」になりますので、これは絶対にやっていたほうがいいです。
この方の場合は、咳が止まり、声が正常になり、
「咽喉に薄い膜が張ったような感じがあったのですが、それが取れて楽になりました」と言っていました。
ですから、治療後の確認はしませんでしたが、まだ症状が残っていると思われた場合は、左脇下の痛みが消えたか、軽くなったかを確認してから治療を終了します。

さて治療になるのですが、先ずエネルギーの流れを良くするために、七星論での顖前・百防へ刺鍼して、それから頭蓋JAAでの「臓点」という部位に刺鍼します。
この時点で(刺した瞬間から)、左脇下の痛みは軽減されています。

その後に、中指の「咽喉の反射区」に鍼をしたのですが、鍼に慣れてない患者さんなら、千年灸のような温灸を使うほうがいいと思います。
この部は、咽喉に異常があると、軸方向に沿って、筋が張った感じがあるもので、酷い時には、「ハリ金が入っているような感触」があるものです。
それがあったらシメタものです。
それを緩めれば咽喉の症状が治まるからです。

と言っても、中指のスジを解して治療を終了したら、すぐに(多分30分~1時間ぐらい)再発します。
ですから、根本的に治療するには、その根元となったところ(この方の場合は心包)を整える必要があるわけです。

根元となっている臓腑の整え方は、それぞれに違うと思いますので、それぞれのやり方でやったらいいと思います。

ただし、頭皮鍼の場合は即効性はありますが、持続性は少ないので、頭皮鍼だけで済ませるのはどうかと考えています。
そして、私のところでは、必要に応じて家庭療法なども教えています。



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2017/10/28

ふらつく。胸が悪くてむかむかする。急患二人の治療 (頭皮鍼を主に) 


待合で座位のまま治療をした



きのうは2人の急患がありました。
一人は空き時間に挟むことができたのですが、もう1人はベッドの段取りができないので、5分で治療する事にして受け付けた。

上の写真の方は、前にもめまいで来られていた方です。
「めまいのような感じでふらつく」と電話が入ったそうです。
来てもらうと、待合に座っていても気分が悪そうに見えたので、様子を聞いたら、
「ふらふらして目が回るんです」と言う。
脈を診ると肝と心包が虚しているので、そのまま待合の腰掛けで座位まま鍼をしました。

鍼は、百防、顖前、顖前両側、頭七地で配穴しました。
頭皮鍼は即効的な治療をする場合には非常に効果的な治療ができるからです。
鍼をしてから、
「どうですか?」と聞くと、
「あ、ちょっと回るのが良くなりました」と言うので、ベッドが空くまでそのまま待ってもらうことにしました。

で、ベッドが空いてからベッドに移ってもらい、脊椎診をしたら、右肩甲骨内側の最長筋が異常に凝っていました。(肝の異変です)
そこで、左右の最長筋を親指でゴリゴリしながら、
「右側が硬いのが分かりますよね」と聞くと、

「はい。気持ちいいです」と言う。

それから経絡を整える鍼をしたのですが、それが済む頃には、落ち着いた顔になっていましたので、起き上がって頭を回してもらいました。

「どうですか?」と聞くと、

「ええ、随分いいです。さっきむこうで鍼をしてもらった時からだいぶ良くなっていました」と言っていましたので、そのまま背部の治療をして終了しました。

もう一人の方は、
「ムカムカして、気分が悪くて、吐きそうな感じです」とメールが来ました。
この方は、何度も来られている方なので、
「ベッドの空きがないのですが、10分もあれば治せると思いますので、とりあえず症状を取るだけでいいなら、こちらに来てください」とメールで返信した。

1時間半~2時間ぐらいしてやって来たのですが、青白い顔をしている。
元々色が白い方なので分かり難かったのですが、唇も少し白くなっていましたので、青白い感じがわかりました。
待合の椅子に座ったまま脈を診ようとしたら、手が冷たい。

「はは~ん!」と思ったので、

「今の季節はどんな果物があるんですか?」と聞いたら、すかさず

「ブドウ」と言うので、

「だいぶ食べたの?」と聞くと、くすっと笑って、

「2つ」と答えていました。
私は患者さんが申告するのは、額面通りには受け取らずに、その人の体に出たサインを読んで判断するので、内心「5~6個か」と考えていました。(笑)

それからスタッフにお願いして、ベッドが空いたら膻中に千年灸を1壮してもらう事にしました。
で、ベッドが空いたので、スタッフが千年灸をしていました。
「千年灸が終わった」と言うので、ブースへ行って脈を診ようとしたら手が暖かくなっている。
「あ、もう大丈夫です。手が暖かくなっているので、気分も良くなったでしょう?」と言うと、両手で暖かくなったのを確認して、
「あ、ほんと暖かい。はい。大丈夫みたいです」と言うので、治療を終了した。

たった5分程度で、しかもスタッフだけによる治療だったからだと思いますが、帰りには物足りなさそうな顔をしていました。
しかし、ベッドが空いてないのでそのまま帰ってもらいました。


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2017/10/28

咽喉の痛みや違和感:日本中医学会学術総会 Part2 


手の神経と経絡及び咽喉の反射区



先日の学会では、現代医学の医師の発表がほとんどで、医師が鍼灸で治療をした症例などは非常におもしろかったし、興味深いものでした。
その中で、岡本先生(名前を出していいかどうかわかりませんので姓だけにしています)という先生の発表がありました。

演題は≪手指鍼治療による難治3症例≫ということでしたが、おもしろかったのは、「手相」を観ながら治療しているというところでした。
東洋医学には、「望診」というのがあり、顔の表情や皮膚の色などを観察して病因を診て診断するのもあるのですが、「手相」という、一部分を捉えた診断は面白いと思いました。

一部分という意味では「虹彩学」もそれに入ると思いますが、虹彩診断は虹彩を撮影するカメラがなくては分析できないので、手相に比べると手間がかかります。
手を観るだけだと、道具も場所も選ばないので、非常に手軽でいいのではないかと考えたわけです。
そして、松岡先生の言う事が面白い。

「一般的な手相だと、相手の弱点から観てしまうのですが、私は臓腑の変化を診て、相手には、出来るだけ暗い気持ちにならないように、希望の持てるような説明をしています」

その言葉を聞いてすぐに親しみを覚えました。

それで、「喉について」のお話がありましたが、咽喉は中指の末節指節関節から手首よりの辺りに(黄色で塗られたところに)、スジ状のものがあるので、そこを狙って鍼をするとおっしゃるのです。
ただ、指ですので、鍼を深く刺すと痛いので、浅く、1mm程度で刺すそうですが、効果を出すために、鍼の本数を多くするとのことでした。
そして、家庭療法としては、その部を自分で解してもらうそうです。

それを七星論で考えると、中指の中手指節関節は「土=脾・胃」になり、経絡では心包経になります。
そして、脾経は任脈と繋がるし、心包経は(心包の異変は)咽喉に影響があるので、なるほど治りそうだ考えたわけです。

そして、董氏の鍼でも、中指に「脾腫穴」とか「心常穴」というのがあり、どれも共通したところがあるので、少し勉強してみることにしました。


董氏の鍼での配置


それで、中指の神経支配はどうなっているかというと、腕神経叢が頚椎5版から胸椎1番の神経で構成されており、第1胸椎の前枝で作られています。
これらの神経が吻合して、上肢から手部の筋肉や感覚を支配する神経を作っていて、首の高さからの神経も加わっているので、首の損傷が原因で手などに感覚異常が出ることもあるわけです。

ということは、逆に考えると、中指を刺激すると、首の異変も整えられるということになるのですが、我々は臨床で「首の異常」を心包経の募穴である膻中で治める場合も多いので、凄く納得できたわけです。
つまり、中指へのいい刺激は、心包を整え、首の異変も整える事ができるということになるわけです。

う~~ん! 面白い!!!

あかん! また引き込まれそうやわ。

ま、きょうはちょっとした研修があるので、それが済んでから検討することにするか。



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2017/10/24

肩の痛み:頭皮鍼(頭に鍼をする治療法)の実験 (YNSA:山本式新頭鍼療法)



YNSAは、このシューマが元になっているようです


YNSAの本を読むと、このイラストのように、中心部に頭部があり、髪際に沿って少し下に腕があり、さらに下に足があるというシューマ(図形)が基本になっているようです。
この実験は、何週間も前に行なったもので、その後に患者さんにも試して確認しています。
頭から足までの間に痛みがある人に、このツボを使ってみるために自分の頭でテストしてみたわけです。


腕の角度に当るところに眉間に向かって刺鍼


髪際の角から眉間に向かって鍼をして、左右の肩の動きを確認したら、何となく左肩が軽くなる感じがしました。
(YNSAでは左の症状は左頭部に取穴します)

そして、肩と言うよりは、左後頭下部から肩まで緩んだ感じもしました。
多分、僧帽筋や肩甲挙筋や斜角筋などが緩んだのだと思います。
でも、何となく納得できない。


腕の角度の部位から外方に向かって刺鍼


次は、眉間の角度から後頭に向かって頭頂の角度に鍼をしてみました。
これはあまり変化を感じる事はできなかった。
それを七星論で考えると多分、寫法であり、七星の流れに直角になるからだろうと考えた。

これを説明するには、頭部七星から始めなければならないので、それは臨床実践塾や他のセミナーなどで、チャンスがあるときに説明することにします。


任脈と腕の角度から足の角度に向かって刺鍼


そこで今度はシューマで示す「肩辺り」から「足の角度」に向かって刺鍼してみました。
これは、頚肩部の筋肉が緩む感じがして、左右の肩で比べると、刺鍼した左側の肩のほうが軽く感じられた。
と同時に、前髪際中央部に「痒み」を覚えた。

痒みを覚えたのは多分、YNSAで「腎から始める」というのがあり、七星論では髪際を「腎」と診るので、多分、腎への刺激が前髪際中央の「任脈」に何らかの影響を与えたのだろうと思えた。
七星論では、「任脈・督脈」→「腎・膀胱」→「肺・大腸」とエネルギーが流れると考えますので、腎への刺鍼が任脈に影響を与えたと考えるわけです。

それではもっと効果の出る方法はないのかと思い、七星論での百防に刺鍼してみました。
変化はありました。
しかし、百防への刺鍼は、全身の筋肉に「いい影響」を与えて、全般的に筋力が挙がるので、これでは実験にならない。

そこで、この基本点だけでなく、他の基本点も一つずつためしてみる事にした。
その実験計画は、私が発表した「頭蓋JAA(頭蓋縫合調整鍼)」も取り入れながら、行なうことにしたのですが、自分で手の届かない、あるいは刺鍼しにくい部分があるので、その時はスタッフや患者さんに協力してもらい実験をすることにしました。
※ 基本はスタッフで、我々が試して効果があると認めたものだけを、患者さんに協力してもらいますので、ご安心ください。
そして、嫌がる方にはしないのが基本です。

たとえば、頭蓋JAAには、七星論での「頭部七星」に始まり、「臓点」とか「鎮痛点」とか「頚椎点」なんてのもあり、それらを組み合わせることで、かなりの範囲を治療できるはずです。
「できるはずです」と言うよりは、臨床では既に使っています。



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2017/10/24

婦人科に効くツボ:歩くと鼠蹊部が痛い:子宮異常や卵巣異常の診断と治療


診断に使う鼠蹊部と恥骨結合部




卵巣に異常があると、ここを軽く押しても痛がる




婦人科の異変と思われたら許可を得てから鍼をします



「歩いていると鼠蹊部が痛くなる」という方が来られました。
このような場合は、骨盤の歪みがありますが、骨盤の歪みがどこから来たかを考えなければならない。
単に「骨盤が歪んでいます」と言うだけでは治療に繋がらないからです。

骨盤は、下腿に異常があっても歪み、脊椎が歪んでも歪み、肝臓や腎臓にヒズミがあっても歪みます。
もっとあります。
体が冷えて婦人科に異変が起こっても歪みます。

では、どうすればいいのかと言うことになりますが、そこで診断が必要になってくるわけです。
つまり、筋骨格系の診断(検査)も、臓腑の診断もできなければ、的確な治療ができないということになります。

婦人科の簡単な診断の方法としては、上の写真のように鼠蹊部を軽く押して痛みがあるなら卵巣。
恥骨結合部を軽く押して痛みがあるなら子宮という診方をします。
ただし、先ほど言いましたように、骨盤は他に原因があっても歪むので、骨盤が歪むとその部に痛みが出ることがあります。
ですから、直接子宮や卵巣を腹部から押さえて調べる場合もあります。

そして子宮とか卵巣に異変があると思ったら、今度は手の平の反応で確認します。
上の手の平に鍼を刺した写真がそうですが、ここは指で押しては分かり難いので、鍉鍼という先の尖ってない鍼の頭の部分で痛みを調べます。

そこで痛みがあったら、今度は爪楊枝の頭ぐらいの部分を使って探し、痛みがあったらそこに鍼をします。
そして、鼠蹊部や恥骨結合部の痛みが取れた事を確認してから抜きます。
すぐに抜いてもいいのですが、5分ぐらい置いておくと治療効果を長持ちさせることができます。
その後に、歩いてもらい、痛みが出るかどうかを確認します。
痛みが出なければOKです。

ただし、何故婦人科に異変が出たかを考えて、その後の養生法なども教えておきます。
たとえば、肝臓や腎臓の代謝に問題がある場合は、手当法などを教えておきます。
手当法は、 こちら のページを参考にされてください。

筋骨格系が原因を思われても、殆どが臓腑と関係していますので、そこは注意が必要です。



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2017/10/23

董氏の鍼(手上焦穴):腰椎後弯や脊柱管狭窄症に使えるツボ


董氏の鍼「手上焦穴」(しゅじょうしょうけつ)
指輪で個人特定ができるので加工しました



「董氏の鍼」(とんしのはり)は、肘から下、膝から下のツボを多く使います。
先日、腰椎後弯の方がいまして、「董氏の鍼」にあったツボを使ってみました。
というのは、この方を何度か治療しているのですが、腰椎後弯が上手く治められなかったからです。

この方は脊柱管狭窄症ではありませんが、私は「そのままでは脊柱管側弯症になる」と思いましたので、毎日の食事メニューをメールで送ってもらい、気付いた点を返信するようにしたのです。
そして、徐々に食事療法に慣れて来た頃、この鍼を使ったのです。
※ 食事療法と言っても、「体を冷やさないメニュー」程度のもので、厳しくもないし、難しい内容でもありません。

そのような下準備をしてからこの鍼を使ったのですが、治療の後にはご本人も、「腰がスッと伸びています」と話していて、ルンルンという感じでした。
そういうルンルンとした顔を見るのは初めてでした。(^_^;)

それは、横から見てわかったのですが、それまではお腹が凹み、腰が後に出ていたのですが、その時は腰が真っ直ぐになっていたのです。
ほんとに、見ていても腰が気持ち良さそうでした。
後は、ご本人がどれだけ食事の事を考えられるかです。
何年もいろいろな病院や治療院を回ってきた方ですので、多分大丈夫と思います。

さて、腰椎後弯の話に戻します。
椎間板ヘルニアなどは比較的治しやすいのですが、腰椎後弯というのは、なかなか難しいものです。
たとえば、脊柱管狭窄症の患者さんも殆どが腰椎後弯です。(腰椎後弯でない人は見たことはありませんが)
つまり、腰椎後弯が改善されれば脊柱管狭窄症も改善されると考えていいわけです。
逆に言えば、脊柱管狭窄症の患者さんで腰椎後弯がない方は、治しやすいということです。

腰椎後弯は強烈な痛みがなく、ジワジワーッとくる症状で、「腰が重い」という症状から、「曲げて仕事をすると痛い」と言うようになり、それでも「明日は治るだろう」、「寝れば治るだろう」、「歳だから仕方がない」と、そのままにしている人が多いのです。

しかし、このツボは理論的にも納得できるし、実際にも効果が合ったので、このツボを使えば、腰椎後弯も治せると考えています。
理論とは、この部位は「腰腿点」とか「腰痛点」と呼ばれるツボで、私が鍼灸学校1年生の時に発表した「骨格矯正鍼」の理論が含まれるからです。

そのツボの理論を簡単に説明しますと、【手背の「腰腿点」に鍼をすると、中脳の「姿勢調整作用」が働き、姿勢が調整される】というものです。
つまり、董氏の鍼で、「手下焦穴」という部位がそれに当るわけで、董氏の鍼では、その主治を以下のように書いています。

【腎炎、腎盂腎炎、膀胱炎、ネフローゼ、排尿痛、残尿感、頻尿、多尿、少尿、浮腫、尿路感染症、下痢、便秘、インポテンツ、副睾丸炎、鼠蹊ヘルニア、生理痛、月経不順、帯下、不正性器出血、子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮内膜症、腰痛、急性腰痛、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症】



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2017/10/23

日本中医学会学術総会 Part1

中医学会1
  鹿児島さくら病院 内科田頭秀悟医師の発表


昨日は、<日本中医学会 学術総会>に参加しました。
学術発表は中医学らしく、「糖質制限理論かたの中医学的食養生の再考」という演題などもありました。
発表されたのは、鹿児島市の「鹿児島さくら病院 内科田頭秀悟先生」で、ご自身でも糖質制限食をして、体の余計な脂肪を削り取ったそうです。

一般的に、現代医学の「学術発表」となると、生理や病理に始まり、データを付した患者症例や経過、考察になり、正直言って「読めばわかる」ことが多いので、個人的にはつまらないのですが、今回の発表は、
「なぜこの生薬をつかうのか」
「なぜこの手法を」つかうのか」
といったことが述べられていたので、非常におもしろかった。

3番目に発表されたのが、鹿児島さくら病院の内科医で、「糖質制限食」についてでした。
その中で、
【ヒトの本来の食性とは」というタイトルで、「中医学でも伝統的には肉食を避けるべきである」としながら、「現代医学の改革派の医師達の間で糖質制限という食養生の考え方が生理学的根拠を持って支持されるようになってきた」(中略)
中国においても神仙術の一つとして穀物を断つ「避穀」(へきこく)と呼ばれる手法が2000年以上前から伝承されてきた。】と、糖質制限食を支持した発表をされていました。

このブログを読まれている方々にも、いろいろな根拠を持った意見があると思います。
この発表では歴史的な例を示しながら、自他の体験を踏まえたデータも示し、「現代における食養生の在り方について」述べ、考察で糖質制限食の長短をまとめていました。

私は糖質制限食を勧めるでもなければ否定するわけでもないことを最初に述べておきます。
ただ、糖質制限食では、「肉も食べ放題」という勘違いする一節がありますので、その点に関しては反対の立場を取っています。

糖質制限食に関しては、アメリカでも賛否両論のようですが、賛成派は「減量ができる」とか、「血糖値が下がる」や「ケトン体産生が促され、ケトン体の一部であるβヘドロキシ酸が抗老化作用を持つと考えられる」ということを強調しているようです。

で、反対派は、「動脈硬化が早くなる」「骨が弱くなる」等が挙げられ、「肉に多く含まれるリン酸が排出されるときに、リン酸だけでは排泄されず、組織にあるあるカルシウムと結合して、リン酸カルシウムという形で排泄され、組織内のカルシウムが不足して発病しやすい」という意見があるようです。

たとえば、カルシウムが奪われるとどうなるかということですが、
カルシウムは人体のアルカリ性を保つ一番の立役者ですので、それが長期間奪われ続けると体が酸性に傾き、ある時は炎症、ある時は発ガン因子となるというわけです。
私は臨床を通じて、肉を食べる量の多い人は、
① 頭痛がでやすい(血液が酸性になるとドロドロになる)
② 関節障害が出やすい(軟骨のカルシウムが奪われる)
③ 皮膚障害を起しやすい(汚れた血液になると皮膚の代謝が落ちる)
④ 体が固くなる(血液循環が悪く筋肉の代謝が落ちる)
⑤ 動脈硬化の進行が早い(血液の汚れは動脈硬化の原因になる)
⑥ 皮膚が粗くなる(血液循環が悪くなるので皮膚の代謝が悪くなる)

ちなみに、糖質制限食を提唱したアトキンス博士は、なんと、転んでこの世を去ったと聞きます。(調べてはないのですが、有名な話です)
つまり、体が固くなり(組織が固くなり)、外部からの衝撃に体が耐えることができなかったのだろう、と考えるわけです。

このブログは不特定多数の方が目にするものですので、あまり書き過ぎると恨まれますのでこれぐらいにしておきますが、これまでの臨床で「動物性食品過剰が原因」と思われる患者さんに、「動物性食品を避けさせて」治した例はいくつもあります。
※ 継続した治療をしても、治療結果が好ましくない場合は、その人の「好きな食べ物」を断たせることで治すことができます。

他の発表者もそうでしたが、殆どが論文形式でありながら、聴講者にわかりやすくまとめていて、私が何度も参加した中国での「国際中医学会」とは、大きな違いがあるように思いました。
中国での「国際中医学会」が良くなかったという意味ではなく、中国では、古典(黄帝内経や傷寒論など)を根拠にする場合が多く、「検証」や「症例」のないこともあるのです。



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