FC2ブログ
2019/08/22

肩関節内側の前面が痛い:回旋鍼 ・足関三穴 (8/25臨床実践塾準備)

この「診断即治療」は、 gooブログ にも転載しています。

 

写真①ここが痛い           写真②三角筋


「肩関節の前面が痛い」という方がいましたので、痛みのあるところを確認すると、大胸筋か三角筋前面の痛みのようでした。
写真①は患者さんが痛むと言うころで、写真②は大胸筋です。

大胸筋も、4つに分けて、それぞれ名称が違います。
上から言いますと、

① 鎖骨部
② 胸骨部
③ 肋骨部
④ 腹部線維

となりますが、この方の場合は鎖骨部になります。
つまり、鎖骨の異変も絡んでいると考えるわけです。
解剖を見るとわかるのですが、大胸筋の前には三角筋が被さっています。
つまり、三角筋の前部と重なっているわけです。

しかし、腕の動きに問題はなかったので、三角筋ではなく大胸筋と判断したわけです。
大胸筋と判断したもう一つの理由は、心包経(心筋)にも異変があったからです。
(心包の異変は壇中への押圧で痛みがあります)

心臓や心包に異変があると、左上半身に異変が出やすいものです。
ですから、壇中に千年灸をしても痛みを消すことはできます。
ほんとは「直灸」のほうがいいのですが、若い女性にはできません。

痛みの部位を確認するためと写真を撮るために、痛む部位をスタッフに指で差してもらい、本人に確認してもらい、写真を撮らせていただきました。(写真①)
それで、その部をちょっと抑えてもらうと、
「そこそこそこ」と言っていました。(笑)

治し方はいろいろあるのですが、痛みのある部位は触りません。
つまり、患部には何もしないのです。
患部に鍼をしたり、手指で筋肉を解したりすると、治ったかどうかの確認ができないし、そこに原因があるとは考えないからです。

なので、当院で今流行っている「回旋鍼と足関三穴」を使うことにしました。
回旋鍼の対象かどうかを検査する方法もあるのですが、寝た状態でしたので、検査ができませんでした。
だから軽く押さえてもらったわけです。
回旋鍼の対象を診るためには、体を捻るように押して確認しますが、これは  8月25日の臨床実践塾 で公開します。

で、治療結果はというと、もちろん痛みは消えていましたが、治療がほとんど終わるころに思い出し、

「あ、肩の前の痛みは?」と聞くと、

「ん~ん、痛くないですよ」と答えていました。

「これで治る」と思い込んでいるものですから、治療後の確認を忘れていたのです。(笑)
回旋鍼は体の捻れを整えてくれるからだと思いますが、鎖骨に関するヒズミが取れたということは、脊椎の捻れも取れたと考えていいので、「回旋鍼」の応用範囲もかなり広くなりそうです。
2019/08/21

肩関節(肩峰)の痛みと回旋鍼 ・足関三穴 (8/25臨床実践塾準備)

この「診断即治療」は、 gooブログ にも転載しています。

 

  写真①ここが痛い          写真②三角筋

 

  写真③大円筋            写真④小円筋



肩関節に関しては、いろいろな説があり治療法に関してもいろいろあるので、解剖学的な説明を少し加えて、臨床例として紹介します。

写真①のように、肩峰が痛いと訴える方がいました。
痛みの出る角度を調べるために、肩を動かしてもらったのですが、肩を動かしながら、
「何かをしたときにピッと痛みが出て力が抜けるです」と言います。

その方が指差したところは、ちょうど肩峰(肩先)辺りで、筋肉で言うと「三角筋中部」でした。
痛みの出る角度に来ると、
「うっ!」と肩を落とします。

この方が指を差したところは、三角筋の中部です。
三角筋の中部は、肩峰に付着していて、肩関節を外転する(腕を上に挙げる)働きがあります。
ところが、三角筋は棘上筋と共に働き、その付着部は僧帽筋の付着する位置とほぼ一致するのです。
つまり、僧帽筋ともつながりがあることになります。

三角筋は、前部と中部と後部に分けることが出来、それぞれに違う働きがあります。
三角筋自体に障害が出ると、触診でも痛みが出ます。
そして、障害の後遺症として、肩関節の痛み(五十肩等)が起こる事もあります。
この方は、腕を横から挙げて、90度辺りで痛みが出てきますので、「三角筋中部」と判定したわけです。

次に、肩関節の痛みでよくあるのが、五十肩に見られる、大円筋と小円筋の硬化(過緊張)です。
大円筋の起始・停止は、起始が肩甲骨下角の後面。
停止が、上腕骨の小結節稜。
で、大円筋の主な働きとしては、肩関節を内旋する(腕を内側に捻じる)のと、肩関節を内転する(腕を体幹に近づける)ことです。

小円筋の起始・停止は、起始が肩甲骨の外側後面の下角で、肩甲下筋筋膜に付着し、停止は、上腕骨大結節と肩関節包に付着しています。
小円筋の主な働きとしては、肩関節を外旋させ、肩関節を内転することです。

そして小円筋は、棘上筋・棘下筋・肩甲下筋と共に回旋筋腱板の筋肉の一つで、肩関節を外旋します。
小円筋は、棘上筋・棘下筋・肩甲下筋と共に働くわけです。

ですから、五十肩などの場合は、この小円筋と大円筋を解すと、腕の動きが良くなります。
この方の場合も、「小円筋と大円筋を解せば楽なる」と考えたのですが、筋肉だけを動かす方法では、すぐに再発するので、回旋鍼と足関三穴を使うことにしました。

時間の都合で、経絡治療と一緒に「回旋鍼と足関三穴」も使いましたが、一応の治療が済んで、

「はい。先ほどの肩の痛みは取れていると思いますので、確認してくれませんか」と言うと、起き上がって、肩をいろいろな角度に動かしていました。そして、やがて笑顔になり、

「治ってますわー」と言います。

※ 肩関節辺りには一切鍼も手技も使いませんでした。

回旋鍼で、僧帽筋や棘上筋、棘下筋、三角筋などが整い、足関三穴で、大円筋、小円筋が整えられたともの思われます。
「思われます」と言うと、頼りないのですが、「回旋鍼と足関三穴の理論」、及びアナトミートレインなどで筋肉の連鎖を考えれば理解できると思います。

「回旋鍼と足関三穴」は、今後当院の治療に欠かせないものになりそうです。
2019/08/20

体の回旋運動とスポーツ (8/25臨床実践塾の準備)

この「診断即治療」は、 gooブログ にも転載しています。



回旋筋は2種類あり、横突起から1つ上と、2つ上の棘突起に付着する2つです 


 

刺鍼前は上半身まで使って捻じろうとしますが、刺鍼後は楽に捻れるようになります



先日、6歳になる息子さんを連れて来た方にお願いして、「回旋鍼」のテストに協力してもらいました。
最初に写真のように両手を前で合わせて、左右に捻じってもらいました。
年齢の割に、ちょっと体が硬いです。

その後、「回旋鍼」をしてから、再び両手を前で合わせて、左右に捻じってもらいましたら、先ほどより回転角度が大きくなっていました。
そして、
「あれ? 回りますね」と言いながら、笑っていました。

これは、督脈ライン上の中心線に沿った筋肉や腱が緩むのではなく、脊柱起立筋や長・短回旋筋まで緩んでいると考えることが出来ます。
回旋鍼は脊柱の捻れを担う働きがあるからです。

回旋筋の支配神経は脊髄神経後枝です。
起始停止は、

短回旋筋:横突起に起こり、1つ上の椎骨の棘突起に停止
長回旋筋:横突起に起こり、2つ上の椎骨の棘突起に停止
となっています。

つまり、この筋肉は体を捻るときに働いてくれているわけで、この筋肉が硬くなると、体が捻じり難くなるわけです。
何年か前に、回旋筋への刺鍼で脊椎の調整をすることを考えたのですが、それは直接回旋筋に刺鍼する方法でしたので、あまりぱっとしませんでした。

がしかし、この回旋鍼を使うと、(これまでの実験や臨床では)ほとんどの人が間違いなく、軽く捻れるようになります。
ですから「回旋鍼」と名付けたのですが、実際にも「体の回旋を改善」してくれているようです。

この回旋鍼を使うと、スポーツの投てきや、テニス・バドミントン・フェイシング、バレー・バスケット・野球など、上半身を強く捻るスポーツや、肩関節に負荷をかけるスポーツ選手に役立つのではないかと考えています。

ただ、持続効果を出すための方法をこれから研究しなければなりません。
2019/08/19

胸肋関節が痛かった (8/25臨床実践塾の準備)

この「診断即治療」は、 gooブログ にも転載しています。



ここが痛かったんです 




胸肋関節(胸椎と肋骨の関節) 



「特に異常はありません」という方が来られましたので、回旋鍼で体の動きを調整しようと思い、頭の後ろで指を組んでもらい、左右に捻じってもらってから回旋鍼をしました。
そして、
「はい。もう一度頭の後ろで指を組んで、上半身を捻ってみてくれませんか」というと、その通りにしてくれました。

そして、
「あ、痛みが出ないです」と言う。

「どこか痛かったんですか?」と聞くと、

「はい。ここが痛かったんです」と、胸肋関節辺りを指差した。

「ああ、ちょっと今のポーズをブログに使わせてくれませんか。顔は隠しますので」と、スタッフを呼んで顔を隠してもらい写真を撮らせてもらいました。

さて、ここからが問題です。
胸肋関節が痛むとなると、普通は、その痛みのある辺りの筋骨の矯正を考えると思いますが、胸肋関節の歪みは、背骨(脊椎)が関係していて、患部辺りを矯正するのではなく、脊椎を矯正したほうが治りはいいし、再発しないのです。

ですから、仮に回旋鍼をする前に、胸肋関節の痛みを訴えていたとしたら多分、先に脊椎(上部胸椎)の矯正から行なっていたと思います。
しかし、「特に異常はありません」と言うので、回旋鍼で全体のバランスを調整してみたのです。
予想外の出来事でしたが、ご本人も喜んでいたようです。

何故回旋鍼で胸肋関節の痛みが取れたかと言いますと、回旋鍼は、エネルギーのスパイラル運動を調整(矯正)するテクニックだからです。
つまり、「捻れ」を調整してくれるのです。
捻れを調整するために開発したのですが、まさかそこまで調整できるとは考えていませんでした。

 8月25日の臨床実践塾 のテキストは、ほとんど出来上がっているのですが、これは加筆しておく必要がありそうです。
2019/08/18

手首を背屈したり前屈したりすると手の甲が痛い (8/25臨床実践塾)

この「診断即治療」は、 gooブログ にも転載しています。




黄色い円内が全体的に痛く、赤色の部分は手首を前後屈で痛む 



角度の検査で下の写真ではわかり難いのですが、痛みはなくなりました。


 
  写真③ビフォー           写真④アフター

 
  写真⑤ビフォー           写真⑥アフター


手掌の手首近くの中央辺りには手根管(トンネル)という神経の通り道(トンネル)があり、小指側にも神経の通り道(トンネル)があります。
手の平中央辺りにあるトンネルを「手根管」と言い、小指側にあるトンネルを「ギヨン菅」と言います。

先日来られた患者さんは、手首を背屈しても前屈しても手の甲が痛いと言います。
それだけで判断すると、「手根管症候群」と考えますが、写真①で見てもわかるように手関節の変形も見られます。
※ 全体的には黄色い円で囲んだところで、強く曲げると、親指側と小指側の赤色で塗ったところが強く痛むと言います。

手根管を通る神経は正中神経で、ギヨン管を通るのは尺骨神経です。
そして、正中神経は親指から薬指にかけて、尺骨神経は薬指から小指にかけての感覚支配をしています。

ところがこの方は、手首(手関節)を背屈させても前屈させても痛みが出ますので、手根管やギヨン菅だけの問題ではないような気がしました。
そして首にも異常があり、「首を左右に捻じると痛みが出る」というので、頚椎の歪みが原因と考えることができます。

そこで、「回旋鍼」の登場です。
回旋鍼は、体の捻れを一瞬に矯正する威力がありますので(ほんとに一瞬です)、
「回旋鍼を使うと頚椎の捻れが整う」と考えたからですが、回旋鍼をしたら、手の甲の痛みも軽くなりました。

「軽くなりました」だけでは納得できませんので、「足関三穴」も使うことにしました。
回旋鍼は回転性の調整に使えますが、筋骨系の調整には「足関三穴」が効果的だからで、頚椎に関係する筋骨調整するためです。

すると、
写真②と③がビフォーで、写真④と⑤がアフターで、

「どうですか?」と聞くと、手首は硬そうでしたが、

「はい。痛みがなくなりました」と言ってくれました。

でもやっぱり頚椎が気になったので、手技療法で軽く頚椎も調整しておきました。

鍼灸を学んで久しいのですが、鍼灸は「経絡に始まり経絡に終わる」などと言われる場合もあります。
しかし私は、「患者さんの笑顔で終わる」ことを心掛けています。
その為に、解剖学を調べたり、鍼灸理論で調べたりしながら独自の仮設を立て、自分で実験して、確信を得たら臨床に用いるようにしています。

この「足関三穴」と「回旋鍼」もそうですが、この二つは、足関三穴が解剖学寄りで、回旋鍼は鍼灸理論寄りです。
私がやっていることは、 「人体惑星試論」 ・・・つまり「試論」ですので……。

 8月25日の臨床実践塾 を楽しみにしていてください。